2007/5/27
1051 三香原(みかのはら)布当(ふたぎ)の野辺(のへ)を 清みこそ 大宮所(おおみやところ) 定めけらしも
(瓶原(みかのはら)布当(ふたぎ)の野辺(のへ)が 清いので 大宮所をお定めになったらしい)
1052 山高く 川の瀬清し 百代まで 神しみ行かむ 大宮所
(山高く 川瀬が清い 万代までも 神々しくなりゆくであろう この大宮所は)
1054 泉川(いづみがは) 行く瀬の水の 絶えばこそ 大宮所 うつろひ行かめ
(泉川の川瀬の水が 絶えたならこそ 大宮所も さびれてゆこう)
1055 布当山(ふたぎやま) 山並見れば 百代にも 変はるましじき 大宮所
(布当山の 山並を見ると 万代にも変わりそうにもない 大宮所だ)
1056 娘子(をとめ)らが 績麻(うみお)かくといふ 鹿背の山 時し 行ければ 都となりぬ
(おとめたちが 績麻を掛けるという 鹿背の山も 時が過ぎると 都となった)

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2007/5/23
1048 立ちかはり 古き都と なりぬれば 道の芝草 長く生ひにけり
(移り変わり 古い都と なってしまったので 道の芝草も 長く伸びてしまった)
1049 なつきにし 奈良の都の 荒れ行けば 出で立つごとに 嘆きし増さる
(馴れ親しんだ 奈良の都が 荒れてしまったので 外に出るたびに 嘆きが加わる)

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2007/5/7
1042 一つ松 幾夜か経ぬる 吹く風の 声の清き葉は 年深みかも
(一本松 何年経たのか 吹く風の 声が清らかなのは 何を経たからか)
1043 たまきはる 命は知らず 松が枝を 結ぶ心は長くとそ思うふ
(たまきはる 寿命のことはよくわからない松の枝を 結ぶ心は 命長かれと思うばかりだ)
1044 くれなゐに 深く染みにし 心かも 奈良の都に年の経ぬべき
(紅に 色深く染まるようになじんだ 気持ちで さびれた奈良の都に 年が過ごせようか)
1045 世の中を 常なきものと 今そ知る 奈良の都の うつろふ見れば
(世の中が 無常なものと今こそ知った 奈良の都のさびれるのを見ると)
1045番の歌ならば、現代の人も詠みそうな歌だと思った。作者は分からないそうである。奈良時代(1200年前)の歌が身近かに感じられる。このような現代人にも通じる歌を発見したとき万葉集を読む楽しさを感じる。記憶は定かではないが、高校時代に国語か日本史の時間に習ったのかもしれない。分かりやすく現代人にも通じる歌だと思う。
1046 石(いは)つなの またをちかへり あをによし 奈良の都を またも見むかも
(石(いは)つなの また若かえって(あをによし) 奈良の都を また見られるだろうか)

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2007/5/6
1033 御食つ国 志摩の海人(あま)ならし ま熊野の 小舟(をぶね)に乗りて 沖辺(おきへ)漕ぐ見ゆ
(御食(みけ)つ国 志摩の海人らしい熊野の 舟に乗って 沖辺を漕いでいるのが見える)
1034 古(いにしへ)ゆ 人の言ひ来(け) 老人(おいひと)の をつといふ 水そ 名に負ふ滝の瀬
(昔から 言い伝えられてきた 老人が 若返るというみずだぞ 名にそむかないこの滝の瀬は)
1035 田跡川(たどかは)の 滝を清みか 古(いにしへ)ゆ 宮仕へけむ 多芸(たぎ)の野の上(うへ)に
(田跡川の 滝が清いせいか 昔から 宮を建てて仕えてきたのだろう 多芸の野の上に)
1036 関なくは 帰りだにも うち行きて 妹が手枕(たまくら) まきて寝ましを
(関がなかったら せめて日帰りにでも ちょっと帰って 妻の手枕(てまくら)を して寝るのだが)
1037 今造る 久邇の都は 山川(やまかは)の さやけき見れば うべ知らすらし
(今造る 久邇の都は 山も川も すがすがしいのを見ると 都を作られるのも当然らしい)
1038 故郷は 遠くもあらず 一重山 越ゆるがからに 思ひそ我がせし
(故郷は 遠いわけでもない 山一つ 越えるだけなのに 恋しくわたしは思っていた)
1039 我(わ)が背子(せこ)と二人し居(を)らば 山高み 里には 月は 照らずともよし
(あなたと 二人でいさえすれば 山が高すぎて 里には月が 照らなくてよい)
1040 ひさかたの 雨は降りしけ 思ふ児が やどに今夜(こよひ)は 明かして行かむ
(ひさかたの 雨よ降れ降れ いとしく思う人の 家で今夜は 明かして帰ろう)
1041 我がやどの 君松の木に 降る雪の 行きには行かじ 待ちにし待たむ
(わたしの家の 君をまつの木に 降る雪のように ゆきに行くことはしまい ひたすら待とう)

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2007/5/6
1031 後れにし 人を偲はく 思泥(しで)の崎 木綿(ゆふ)取り垂(し)でて
幸(さき)くとそ思ふ
(あとに残っている 人を思っては 思泥の崎で 木綿を取りしでて 無事であれと念じることだ)
1032 大君(おおきみ)の 行幸(みゆき)のまにま 我妹子(わぎもこ)が 手枕(たまくら)まかず 月そ経にける
(天皇の 行幸に従って わが妻の 手枕(てまくら)もせず 月日が過ぎてしまった)

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