僕が以前から知っていたのは武満徹ソングは一曲だけ。「死んだ男の残したものは」で、そのピアノ伴奏は林光さんが混声合唱用に編曲した(東混が演奏したものかな?)ものだ(もちろん市販されていない)。この伴奏はかっこいいし歌えないことはないが合唱用にたいへん重く書かれていて、ソロではちょっと苦しい。武満徹自身が合唱用に編曲したものもあるけれど(これはショットから出ていますね)全編アカペラ。他に市販されている譜面はない(たぶん)。つまり武満徹ソングをピアノで歌うには誰か作曲家にお願いして編曲してもらわなければならないというたいへんなことになる。そんなこともあってこのショットの曲集は武満ソングを歌おうとするものにとってはたいへんな福音といえる。だが惜しいなあと思うのは編曲で、これはヘニング・ブラウエルという方がやってらっしゃる。ブラウエルさんにはエラそうでもうしわけないが、悪くないのではあるが、ほぼ右手がメロディーをかなり忠実にたどる編曲が多く、 また間奏、後奏が長すぎるのではないか? と思える曲も多い(これはもちろん好みのもんだいではある)のだ。
もちろん無知な僕なので、ブラウエルさんという方はきっとたいへん著名な音楽家なのだろう。でもちょっと考えれば、日本ショットの威信をかけて新たにピアノボーカルスコアを出すのならその編曲はあらゆる意味で林光さん以外にいるわけがないだろうと思うのだが(高橋悠治さんという声もありますね)、なぜこの方が担当することになったのだろう。こんど日本ショットにそのいきさつをたずねてみたいなあ。まあ、文句も言っちまったし無視されるかな? ま、日本ショットの方がこの日記を読んでいるとは思えないけど。