「『ワルキューレ』観劇は感激!──2」
ヘラヘラしながら席に座りつつ、あまりの刺激にボーッとしていると、なんと僕の隣になにやらかわゆい女の子が座っていらっしゃいましたではございませんか。やった、ラッキー! 大日本文化の誇る大日本文化会館で女の子に声をかける! これはやっぱり声をかけるしかないよな、岡原真弓くん!
「えーとですね、僕はですねこんにゃく座というところのものなのでありんすがですね」(寺山修司の感じ)……。ん? よーくみるとハーフの方? かわいいというより、こ、こ、こよなく美しいではないか。よおしよおしと名刺代わりに持っている『ピノッキオ』のチラシを取り出し、「こんどこんなのやるんすけど、じょのかぁ!」と無理矢理わたす。話題作り話題作り。へっへっへ、こういう時にチラシは使うのさ。なあ、岡原真弓くん!
──彼女はしばらくチラシを眺めると、やおら可愛い声でおっしゃいましたね。「私、ここで働いてます」。えええ〜! と指さしたところをみるとそのオペラ『ピノッキオ』公演で4月26日・27日にお世話になるイタリア文化会館! さらに無理矢理お話しをすると、彼女はやっぱりイタリア系の方とのこと。マンマ・ミーア、アモーレ・ミオ、サンタルチア! 君は天使のようだぜやったぜベイベー! なーるほどだからダビンチ&ミケランジェロ的美しさだったんじゃな。うえへへへ。たまらず「あのあの、ガムとか食べちゃいますでごじゃいますか、マンジャ?」などと眠気防止のために持ってきたキッス・ミーガムをわけのわからない日本語で差し出すと「いいえ、結構です」ときっぱり。う、ぼ、僕を気持ち悪がっているのかな。いいんだもんね、あきらめないもんねー。「あ、あのー、こういうのわりと観るんですか」「はい、そうですね」──ひええええ! 「あ、あのー、ドイツ語わかるんですか?」「はい、だいたい」ひええええ! 「あのあのあの僕もドイツ語勉強してるんですけどね、難しいででですよね、デアデスデムデン」などとなんとか会話をつなげ、ちょっとだけ日伊友好的な会話を楽しんだ開演前の素晴らしいひとときでありました。僕だけ。
投稿者: 金子左千夫
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