ずっといい天気が続いてる。
風も心地よく吹いて、地面に寝転び雲を見てる。
まるで、死体だ。
まわりにもいっぱい死体があって、だいぶ腐乱してたけど、ぼくの鼻には、
美樹の甘い香りしか、
今日も、宇宙まで見えそうな澄んだ空に、ボクのココロも見透かされそうだ。
このまま、生き続けていいのか、悩んだ時期があった。
死んでしまいたいと思った時期があった。
毎日、朝がやってくることさえも辛くて、明日、世界が終わればいいのにって、普通に思ってた。
いま、この国がほぼ終わったのに、ぼくはまだ生きてる。
あの頃、笑って生きてた連中が死んで、
下を向いて生きてた僕が、まだ、生きてる。
ウケる。
笑いながら歩いた。
なんだか、楽しくなってきた。
いままで、ずっとネガティブで、生きてく意味の無さに縛られて。
ただ、毎日をたんたんとすごしていたのに、
今では、他人の屍を超えて生きていく。
美樹に会いたいっていう、目標を持って生きている。
だから。夜眠るときも、今日、美樹を探して歩いた分だけの充実感。
翌朝、目覚めた時には、今日こそ美樹に会いたいっていう希望。
毎日、すぐそこにある死を感じながらも、生きていることに感謝できる。
いま、そんな毎日を過ごしている。
甘い香りのする方へ、歩いていく。
いい天気で、空は青い。
空が、キラッと光ると、地上がドーンと爆発するよ。
空に飛行機なんか飛んでるように見えないのに。
飛行機。あの頃は教室の窓際に座って、ずっと眺めていた。
教室にいるのは嫌だけど、学校には行った。
登校拒否は、負け犬な気がしたから。
登校中から執拗な打撃系のいじめ。
学校に着くと、無視。
ああ、また1日が始まるんだと。毎日眠りにつくことさえ嫌だった。
授業中も、消しゴムのカス、シャーペンの芯。がどこからか飛来。
後ろの人に呼ばれて振り返る。「なんでもない」と、言われて前を向くと、机の上にあったはずの教科書、ノート、筆記具がない。
『マジシャンか』なんて、心の中でツッコミいれたりして、笑っちゃったりなんかしちゃったりして。
それを見た教師がまた、「教科書とノートはどうしたー。授業をまじめに受ける気はないのかー。」
なーんて、怒るもんだから、みんな、クスクス笑ってるよ。
教科書はだいたい、校舎裏の側溝に落ちてる。たばこを吸いに行くときにわざわざ、持って行ってるのかと思うと、その作業を想像して、ウケて笑っちゃったりなんかしちゃったりして。
笑ったまま、校舎裏に行くから。変人扱いされたりして。
勉強なんてできなかった。
あーあ、そんな学校も今では瓦礫の山です。
ずーっと向こうに見える山まで、まーっすぐ。
なーんにもない景色が広がってる。
でも、行くよ。
甘い香りのする方へ。

0