演出 いのうえひでのり
トミー 中川晃教
母 高岡早紀
父 パク・トンハ
従兄弟 ローリー
シアター・ドラマシティ 3列22番
ロックにのったイタイ話である。
イギリスの実話に基づき映画化され、さらにブロードウェイでロックオペラとして上演されたものを、いのうえひでのりが日本版として脚本化し、上演したもの、らしい。
イタイ話である。
第二次世界大戦が勃発、夫は戦地に。
残された新妻は無事男の子を産むが、夫は消息不明、かなり絶望的らしい。
終戦となり帰還した夫が目にしたのは、妻の横にいる新しい恋人。
カッとなった夫が恋人を殺したその現場を、幼いトミーは目撃してしまった。
母親と、とつぜん現れた父親は、トミーに言って聞かす。
「あなたはなにも見てない。聞いてない。だから、だれにも話してはいけない」
その呪縛から、トミーは「見えない、聞こえない、話せない」の三重苦になってしまう。
両親は、あらゆる手をつくして治療しようとするが、いくつになってもトミーの世界は閉ざされたまま。
しかも、変質者の叔父や乱暴者の従兄弟に虐待を受けるは、風俗地帯にほおりこまれ、ドラッグを味あわされるは。
もう、見ていてイタイイタイ。
でも、トミーの心は自由だった。一人になると、夢の世界ではばたくのだった。
そんなイタイ育ちかたをしたトミーは、ピンボールに天才的能力があることがわかる。
選手権大会でチャンピオンになったトミーは一躍マスコミの寵児となり、賞金がガッポガッポ。
虐待していた叔父さんや従兄弟までがすりよってきて、商売にする。
See Me Feel Me Touch Me Heal Me
(ぼくをみて 感じて さわって 癒して)
両親は賞金をもって、トミーを最先端の医療に診断してもらう。
医師は、機能的にはなにも問題はありません。心の問題です、と。
とつぜん鏡がわれ(ここがちょっと性急すぎて)、三重苦から解き放たれたトミーは、さらに祭り上げられ、教祖扱いに。
しかし、世間の風は冷たい。
昨日まで賞賛していた取り巻きたちは、自分たちの願いをかなえてくれないと、手のひらをかえすように離れていく。
わー、イタイ、イタイよ〜
ラスト、ようやく夢想の世界と現実世界を融合させることができたトミーは歌う。
I'm Free ! Freedom!
ぼくは自由だ。
アッキーは、最初のころ、ま、設定上、歌う場面も少なかったし、歌ってもちょっと歌詞が聞き取りにくかったが、ラストの感情こめた絶唱はさすが。
なんせ、かぶりつきだから、あら、歯並びきれいね。なんて変なところで感動。
ローリーはもう、独特の存在感。あんなに、カラーコンタクトとピチピチ皮パンツが似合う人はいないね。
父親役のパク・トンハ。姿勢がよくて、声がよく通って、顔立ちがキリリと舞台映えする。プロフィールによると韓国でもミュージカルスターとして活躍、日本にも活躍の場を広げているらしい。
娼婦役のソムン・タクもすっごい迫力。
この二人、ちょっと注目。
ロックの激しいリズムで、展開もものすごく速く、スクリーンを駆使して繰り広げられているから楽しめるが、この話を活字で読んだら、痛くて辛くてたまらないだろう。
すぐ前の席のおねえちゃんは、リズムにのってイケイケで手をふっていたが、活字おばさんは、内容を追ってしまって・・・
イタイ内容と、ロックの激しさに、トミーみたいに分裂しそう。
でも、終演後、スタンディングオベーションに応えて、ローリーを中心に奏でられたロックには乗れたよ。
いやあ、あの十分近いセッションは、お得感があった。
いろいろ手配してくださったあくびちゃん、ありがとう♪
ごいっしょしてくださったお二人、ありがとう♪
また遊んでね(笑)

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