日本でもよく知られるロシア・ロマンス
『鈴は単調に鳴り響いている』
Однозвучно гремит
колокольчик
※昨年掲載した記事ですが、演奏動画をつけて採録します。
日本でも
『鐘の音は単調に鳴りひびく』のタイトルでよく知られるロシア・ロマンス。
колокольчикとは三頭立て馬車(これをトローイカといいます)につけた「小さな鈴」のこと。
「鐘」とすると教会の梵鐘と混同されるので「鈴」としました。
♪夕べ告げる鐘の音
物憂く鳴り渡り
馭者の歌哀れ ただ
曠野を流れ行く
(合唱団白樺訳詞)
ロシア語の歌詞は次のようになっています。
♪単調に鈴が鳴り響いている
道は軽く埃を舞い上げている
悲しみに沈んで 平坦な曠野に
郵便馭者の歌が拡がっている
(中島章利訳)
わが国では相変わらず「ロシア民謡」と紹介されていますが、より正確には民謡=フォークロアではなく「ロマンス」とすべきでしょう。
当のロシアでも郵便馭者の歌はすぐに「大衆歌、歌謡 ナロードナヤ・ピェースニャ」と呼ばるようになりましたが、各々の歌には固有の作曲者がおり、それ自身の物語−ときに悲劇的な−を持っているからです。
1852年、長大なシベリア駅逓区間があった時代、凍死体が発見されました。袋の中、この人物の、詩の手書き原稿が見つかりました。
著者の名は
イヴァーン・マカーロフИван Макаров。生涯は定かではありません。
それから1年後、詩篇が出版され
A.グリリョーフА.Гурилевがロシアで最も愛されているこの詩に曲をつけたのです。こうしてロマンス
『鈴は単調に鳴り響いている"Однозвучно гремит колокольчик"』が誕生しました。
3年後、別の作曲家
K.シドローヴィチК. Сидоровичが同じ詩に曲をつけました。シドローヴィチの曲はスタンダードとなり万人の広く認めるところとなりました。
わが国で『鐘の音は…』というと一般的にはシドローヴィチ作曲のこのメロディのことをさしています。
≪画像≫左:シドローヴィチ作曲『鈴は単調に鳴り響いている』のロシア語楽譜。わが国で広く歌われているのもこのメロディ。右:同じ詩に先にメロディをつけたグリリョーフ。
シドローヴィチのメロディが長調であるのに対してグリリョーフのメロディは短調。 
≪
動画/シドローヴィチによるメロディ。演奏はクレムリン室内合唱団。東洋系のテノールの美声が素晴らしい≫

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