先日、いつものスタジオでバンド練習を終えた俺は予定が入っていた為に待ち合い室で盛り上がる他のメンバーを残し地下鉄に乗った。
いつもなら俺もその中に混じって30分でも一時間でもビール片手に談笑しているところだ。
しばらくして目的地に着き、電車を降りて出口に向かって歩いていく。
すると俺が乗っていた車両の一つ前から降りて出口に向かう人混みの中に見覚えのある後ろ姿が。
ハット姿に耳に付けたでかいピアスもピッタリ重なるその人物は、俺がアメリカに留学する前に二年間ほどしていたバイト先の凄くお世話になった先輩にそっくり。
そこの仕事は2人一組で現場をこなすもので、俺は入った当初からその人と一緒に回り仕事も一から教えてもらった。
2人ともバンドマンという事もあって、移動中は音楽の話でよく盛り上がった。
もう、8年も前の話だ。
留学中に帰国した際、そのバイト先に寄って飲み会をした事があったが、一番会って話したかったその人はもう辞めて居なかった。
それ以来、連絡先が分からなくなり全く連絡が取れずにいた。
だから似ている後ろ姿を見かけても簡単に声が掛けられない。
その人は当時全く別の街に住んでいたし。
ただ似ているだけの人だったらどうしよう・・・とか、もしその人だとしても俺を覚えていなかったら・・・とか考えて悩む。
とりあえず顔を確認しよう。と、思って小走りで追い付きさりげなくチラ見。
間違いない。
意を決して名前を呼ぶ。すると俺の顔をみるなり「おぉ!盛島君じゃん!!」という嬉しい反応。
話を聞くと現在は東京では無く地元で働いていて、その日は偶然東京に遊びに来ていたらしく知り合いの家に向かっている途中だったそうな。
凄い偶然だ。同じ電車に乗り合わせるなんて。俺がいつも通り歩いて帰っていたり、メンバーとスタジオの待合室でおしゃべりとかしていたら会ってなかっただろう。
その日はお互い待ち合わせがあった為に連絡先だけ交換して別れた。
そしたら翌日には早速連絡が入り、東京には頻繁に来るらしく飲みに行く約束をした。
8年の時を越えて、また付き合いが始まるのが嬉しくてたまらない。
飲み会では空白の時間の思い出話しで盛り上がりたい。
勇気出して話し掛けてみるもんだね・・・。