「『森』の日々──3」
物語の終盤、吹雪荒れ狂う森をさまう中、12の月たちのたき火のもとに転がり込んできた凍死寸前の女王一行。
この期におよんでもまだ我を張る女王。月たちは娘にプレゼントしたソリで都へ乗せていってくれと頼むようにうながす。だが女王はそれをすることができない。したくないのではなくそういうことを「したことがなかった」からだ。
女王 「でも、あの娘がいやだっていったらどうするの」
1月 「承知してくれるかもしれないじゃないか、あの娘のソリは広々としている」
女王 「私は人にものを頼むことを教わりませんでした。命令することしかできません。だって私は女王よ」
その女王の言動に一番憤ったのだ誰か? もちろん月たちもそうなのだが……それはそれまでどんなわがままにも従順に女王にしたがう一人の兵士だった。
兵士は人間としての知恵と分別、優しさと思いやりをのある兵士は女王にこう叫ぶ。
兵士「陛下! 自分は学のねえ人間でありますが、あなた様がこの子に褒美をやるというのがいけないのであります。乗せていっておくれ、どうか、お願い、こうおっしゃればいいのであります、陛下!」