「訳詞について──3」
しかし下調べをかなりたんねんにやっても最終的にはまあなんといいますか……霊感直感インスピレーション関係にゆだねることになってしまうことがほとんどだ。
いいフレーズが浮かばないときはお気に入りの詩集などを本棚から取り出して参考にな(パクれ)る言葉がないかパラパラとめくったりする。最近のパクリの最たるものはシューベルトの「セレナーデ」だ。
わたしの歌は夜の闇を通って
ひっそりとあなたに訴えかけます
恋人よ この静かな森に
私のそばにいらっしゃいと (訳・西野茂雄)
直訳だとこんな感じですね。まあ直訳ってくらいですから意味はわかるけれど言葉として面白いとは思えないしメロディーにもうまくはまらない。これをどうしたらうまいいまわしにしてメロディーに乗せやすく歌いやすい(これも大事だ!)言葉にしたらいいのだろうか、と悩んだ。