「彼女たち──5」
1978年と79年の1月に発行している小学館プチコミックという分厚い……なんというか漫画雑誌が発行されている。樹村みのり+ささやななえ特集だ。僕はこんな雑誌を買っていたのだなあ……。
この中に掲載されている作品は傑作ばかりなのですよ。ぜひご一読をおすすめします。そしてその中でも抜群に興味深い作品は樹村みのり「星に住む人びと」。
……と、あれ? 本棚にあったはずなのに……ない。あれ? なくしたのか? あれあれ……と本棚をひっくり返すと後ろの方にずっこけてあった。あ〜、よかった。やれやれ、しかしもう古びて紙も茶色になってしまっているなあ。
この作品は、幼い時に死んだ姉、その後に生まれた妹としての自分。子どもを失った父母の哀しみとその人生、60年後半からから70年代初頭にまたがる時代の雰囲気、生運動、就職、ジャンボ機ハイジャック、ベトナム戦争終結。主人公岡崎郁子めぐる様々な人びととその想いとが描かれる。作品中の心に残るセリフ。
ドバイ空港に着陸したハイジャックされた飛行機は
なんの要求も出さないまま各地を転てんとして
最後に全員がおりてから ベンガジ空港で爆破された
たった一つのことだけはわたしにもわかった
たとえ飛行機を手に入れても
この地球の上から逃げられるわけではない……ということ
「星に住む人びと」樹村みのり著
(小学館プチコミック 樹村みのり ささやななえの世界PART・U 1979年1月号掲載)