「僕が歌う歌──10」
「悲しみのない大空に飛んでいきたい。白い翼をはためかせて」と言う気分はわからないではないけれど、まあ、確かにあまりにもそれっぽくて気恥ずかしいね。
フォークソングが台頭した1970年頃はフォークは自作自演が多かったが、この歌は実は詩も曲も赤い鳥のメンバーがつくったものではない。当時の歌謡曲の御大がつくったものだ。どういうふうなつくられ方をしたのかということとこの曲に対する評価は関係なくていいし、以下のようなことなのかはわからないけれど、そのころフォークソングが金になるということに気がついたレコード会社は「フォークソング、のようなもの」をつくって実際に或る程度の収益を上げたと思う。例えば「青い三角定規」なんていうのがそのような気恥ずかしい歌を歌ってましたね。「フォークソング」と「フォークソング、のようなもの」との違いはものすごく大きいのですよ。
僕はこの「翼をください」という曲が好きだ。座内的宴会の時にふざけてピアノを弾きながら「いま〜わたしの〜」なんて僕がちょっとだけ歌い出すとほぼ座員全員がいやーな顔をするんですね。まあ、半分はそれがおもしろくてやってるところがあるんだけれど。あの「反応」は先に書いたこの曲の「エセ青春歌謡的いやらしさうさんくささ」を感じてしまうからだと思うのです。