子ども(2歳半)がNHK教育TVに飽き足らなくなり、最近は「カンタぁ〜」などと、「おばあちゃん」の口真似なぞしながら見るようになった。わが子ながら、モノマネ上手ね…。今日も、ニュースを見ている脇から、「トトロ見る〜」と横取りされた。
せっかくなので、久々に一緒に見てみた。そもそもビデオを持っている時点で明らかなのだが、私も妻も好きで、セリフの一言一句を覚えているほど見ている。なんとも安らぐんだな、結局。
見ながら思った。ここに描かれている世界を理屈抜きに「いいなぁ」「うんうん」と思えてしまうそのことが、日本人なんだろうと。小さな用水路に小魚が泳ぐ、小高い山に囲まれた田園風景、古びてはいるけれど味のある手漕ぎポンプの井戸、ゆっくりと動く農家のおばあちゃん、メイが迷子になれば総出で探す村人。
更には、村の真ん中にあるお林。山や巨木にカミサマが宿ると信じてきた日本のアミニズムがそこにある。トトロはそのシンボル。身近で温かく、それでいて不思議な力を持つ。政治問題として語られる国家神道は別次元。これを素直に受け入れることができる精神性がやっぱり日本の文化であり伝統なのだろう。
ただ、この「いいなぁ」を出発点として、「過去への回帰」を説くのは間違いだ。政治的主張ともなればもう論外。そうした社会団体や宗教団体が独自の取組として追求することに口を挟もうとは思わないが、社会全体が回顧主義、復古主義に向かうのは違う。「いいなぁ」は精神性として継続すべきだし、追及すべきだが、現在という時計は過去には戻せない。
伝統は大切だ。ただ、伝統はその心に真髄があるもので、表面上の形を保持し続けることとは異なる。様々な観点から伝統・文化の見直しが現在進められているが、復古や回帰と伝統維持が異なることは重々意識すべきだと思う。トトロだって、さつきとめいの心の中に住んでいるのだから。
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