本当のことは分からない。上海総領事館職員の自殺をめぐる日中間でのやりとりのことである。問題の裏に何があるのか。少なくとも、「ウィーン条約に抵触すること」が問題ではないだろうから。
各国が「情報」を得るために水面下(法や倫理の向こう側)を含めてしのぎを削っていることは周知の事実。旧共産圏諸国が情報への徹底的な追及を行ってきたこともそうだし、もちろんアメリカなり、その他ほとんどの国が「味付け」程度の違いはあれ「頑張って」いる。
大使館なり領事館の職員がそうしたターゲットになることなど、今に始まった話でなく、100年以上昔からのオーソドックスなもの。特に外交実務に関わるわけでもない人でも、ものの本を読む程度で理解可能だ。
本人が思い悩んだ理由が定かでないにせよ、当該職員を死に追いやった中国の「遺憾な行為」を非難しても、「常識知らずのお子ちゃま」ですと公言しているようなものだと私は思うのだが。
幼稚な非難は置いておくとして、政府も外務省もそんなことは百も承知なはず。だとしたら、この問題を取り出した本当の目的・意図が必ずある。それがなにか。
国内に向けたインテリジェンス啓発、「スパイ防止法」の誘導なのか。それそのものの必要性を私は認めているが、手法としては余りにお寒く、情けない。いずれにしても、一部報道にあるような「弱腰」「強腰」という昨今流行の二分法に基づく「外務省」に対しての「官邸」、という官房長官流「domestic politics」の反映でないことを切に願う。
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