来年4月から、赤ちゃん対象の児童手当が1万円(現在は5,000円)になることが本決まりのようです(
『0-2歳の児童手当を一律1万円に…政府・与党決定』読売新聞、12/12)。「倍になる」という考え方も、「たかだか1万円」という考え方も、評価は様々でしょうが、国全体の社会保障関係予算のうち、子ども向けは5%あるかないかで、90%以上が高齢者向けという現状からすると、少なくとも意味ある一歩と評価できるように思います。
上の資料は、頭をまとめようと、自分でまとめてみた資料です。細かいことはともかく、大体の内容はつかめるかと思います。いざ、まとめてみて気付いたのは、児童手当に「事業主負担」というものがあるということ。今回の児童手当増額の財源内訳のうち、半分は事業主負担(の増額)ということになります。
細かい条件はたくさんあるのですが、単純にすると、「2歳までの子どもを持つ従業員を抱える会社が、従業員の子どもに支払われる児童手当の70%を負担する」というもの。総額からしても、追加分1,650億円のうち820億(49%)は事業主負担の追加。ちょっと不思議じゃありません?「赤ちゃんの児童手当増やします!で、会社から半分出してね」というあたりが。
ちなみに、親が家で個人商店をやっているような赤ちゃんの場合は、国と都道府県と市町村とが全額負担します。事業主にあたる(ある程度の従業員を持つ)個人や法人の肩を持つわけではないですが、その立場からすると「増額はいいけど、おいおい、何で私が?」という素朴な疑問も沸きそうです。
このあたりは、児童手当に限らず、「税負担の公平性」という永遠のテーマに通じる根深い問題かもしれません。「会社が従業員の児童手当まで払わなきゃいけないんじゃぁ、子どもを抱える人を雇いにくくするのでは?」という疑問も一瞬わきましたが、これに関しては違いました。児童手当に関する会社への賦課は、厚生年金の保険料に「拠出金」という形で、一定の児童手当分が"みなし"で課されていました。
厚生年金の保険料も実際には会社が半分負担して国に納めているわけですが、こういったことも含め、複雑であるがゆえに、あまり知られていない税金・保険料の実態があるように思います。複雑であるがゆえに、システム化も出来ず大量の人間を必要としてしまう制度には、やっぱり改善の余地が大きいはず。
社会保険庁なり、いわゆる公務員の削減に関する議論に際して、ただ単純に「減らせ」でなく、「こうすればこんな仕事が『なくなる』から人員減できる」、「そのために、この制度をこう変えるべき」という建設的な議論が大切だと思います。
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