両校の看板といえばパワフルな打撃力。そして今回、両校ともに重量打線を引っさげての甲子園登場となった。
力、技術、センスという様に匹敵する二つの存在があればよく比較したくなるもの。では智弁和歌山と天理の打線は何がどうなのでしょうか。人それぞれ見方は異なると思いますが、間違いなく前提にあるのは、両校とも全国トップレベルの水準だと言うことです。
まず智弁和歌山打線は、典型的なスラッガー、筋骨隆々の山本が桁外れの打球を飛ばす。先日の秋季和歌山大会では、決勝の向陽戦で170メートルの超特大弾を放ち、かつて中田翔が放った本塁打に匹敵する飛距離を記録した。パワフルさという点では天理にはこのタイプの打者は存在しない。下級生で臨んだ甲子園では、プレッシャーに押し潰され、エラーを記録してから調子は失速したが、その後の活躍ぶりは目を見張るものがある。ダイナミックな風貌とは逆に心優しい青年ですので、ハート面を鍛えて強気でセンバツに臨んで欲しい。
そして西川はセンス抜群な将来性豊かなバッターだ。ところが相次ぐ怪我で実力を十分に発揮する事ができず、とうとう最上級生を迎えた。本塁打は7本。1年生時のデビュー数試合で既に4本塁打を記録していたから、その後の苦難を窺い知れる。そして初めて万全な体調で臨める今回、西川は長打力に拘りたいと明言している。本来的には30本は軽く超えていて当然の打者。今センバツの西川を抑えるのは、各校並大抵な事ではないだろう。しかし西川の本来の魅力は打撃と足と肩という総合力だ。西川が引っ張る今年の智弁和歌山打線は例年とは、また違った怖さを演出するはずだ。
そして1年生の道端、宮川のコンビは卓越したセンス、技術、パワーで先輩を押しのけてのレギュラー入りを果たした。道端の技術力、センスは他の追随を許さない。リストを巧く使った前捌きの大きいスイングは豪打智弁和歌山をセンスで支えており、攻撃力に厚みを持たせている。そしてパワーの宮川。まだまだ線は細いが、来年以降も、道端、平岡とともに強打線の中核を占めると思う。
天理では中村、安田、内野と実績ある打者がクリーンアップに並び立つ。実績と風格という点では智弁和歌山より上ではないだろうか。中村のパワーも高校生離れしているがむしろ巧打者。塁上にランナーを置いた時に、この打者ほど頼りにできる存在はないのではないか。どのコースにも対応できるセンスと高技術は天理の安定した試合運びを支えている。天理の中でも最も頼れる打者だ。
そして顔と言えば安田。下級生から頭角を現し、鮮烈さ、存在感は中村を圧倒している。パワフルな打撃力であっという間に外野を越える脅威の打球が相手に恐怖感を与える。確実に芯で捕らえる玄人肌の職人技と言え、そのレベルは高校生の域ではない。
次に内野。鳴り物入りと言えばこの選手。フォロスルーの大きさには大物感がある。PL学園勧野、智弁和歌山坂東とともに名をはせた実力プレーヤー。しかしここまで順調に成長を見せているのは内野だけ。やはり他とは一味違ったという印象だ。本塁打を量産し熟成感ある打線の顔である。天理の中ではもっとも長打力が似合う打者と言える。
両校には、クリーンアップ以外にもスタンドに放り込める打者が数人居並ぶ。総合力は互角だろう。爆発力の智弁和歌山打線。実力の天理打線と言えるのではないか。伸びしろ、脅威と言う点では発展途上でもある智弁和歌山打線。実績、安定感では円熟味のある天理打線と言えるのではないか。
とにかく近畿の顔として、両校の今後の活躍に期待したい。


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