春の夕暮れ、斜光線の射す大空を飛ぶ白鳥を撮りに行った。今年は、何度通っても白鳥の満足いく姿を撮れない。最近、南国に住む友人を亡くし、日に日に悲しみは深まる。音楽を聴いても、本を読んでも、友の姿が、表情が甦る。しかし、このままではいけない。
白鳥の姿を撮って、それを挽歌として彼に捧げたいと思った。
光は最高だった。しかし、白鳥は泳いでも私のイメージした飛行は見られない。あきらめようと思った。車に戻りかけると、突然、一羽の白鳥が大きく翼を広げ旋回した。
白鳥の一羽の飛行は珍しい。手答えのあるシャッターを幾つか切った。神と友が空から河畔に立つ私を見ているように思った。祈りは生と死を結ぶ架け橋だった。

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