
釣りの道具としてカヤックを買うにあたって目標としたことがふたつある。
ひとつは「いつかメジを釣ってやる」というもの。
ヘミングウェイの「老人と海」のように、大きな魚に引きずり回されながらファイトしてみたい。
もうひとつは目標というより「カヤックでどこまで沖に出られるか」が気になった。
青物が釣れるような沖へこんなちっこい小舟で出られるのか?
地図を眺めると荒崎沖1kmのところに亀城礁という離れ磯がある。
長浜からだと片道3kmといったところ。
そこには灯台があり、近くには遊漁船の船団がよく訪れる亀城根がある。
僕もアジ船やイナダ船で来たことのある1級ポイントだ。
「よし、カヤック買ったらいつかここへ行こう。このポイントで青物と勝負だ」
長浜で初めてカヤックに乗った日、その灯台を目の当たりにした。
長浜から見る灯台は思ったより近くに見えた。
亀城に行くという目標は案外早く叶えられるかもしれない。

昨夜、会社のパーティーがあって今朝は寝坊してしまった。
いつもより遅い朝8時、いつもの砂浜より出艇。
いつも通りのアオリイカ狙いだ。
風もなくベタ凪のカヤック日和。
今日は最初から先週の「最後の一投でアオリイカが釣れた」ポイント、略して「イットーポイント」へと向かう。
途中、透明度が高く、良い感じで海藻が生えてる浅場があったのでカヤックの横に餌木を流してみると、チビアオリがついて来た。
そのまま抱きつくかと期待したが一瞬迷ったような間のあと離れていってしまった。

イットーポイントでは残念ながら反応なし。
少し移動しては他のところも開拓してみる。
水深1m程度の浅場でヒット!
なんとマダコが釣れました。
でもぉ〜、タコってあんまり好きくな〜い。
ぐにゃぐにゃしていて気持ち悪いし〜、で、リリース!
アオリイカ不発のまま11時半になってしまったので西へ向かってみることにする。
ジギングの用意もしてきたのでどこかで使ってみたいという思惑もある。
荒崎を越えてさらに西へ進むと少々南風が吹きはじめる。
正面には亀城の灯台。
漕ぐのをやめると風で北へ流される。
のんびり釣りをしていると帰り道が辛くなりそうだ。
漠然と漕ぎ続けているとだんだん灯台が近くなってくる。
「よし、こんな凪だし、今日は亀城灯台までツーリングしてみるか」
予定変更だ。

荒崎から30分ほど漕いだろうか。
ついに目標のひとつだった亀城礁に到着。
遊漁船団はさらに沖の方角に固まっているが、1隻の遊漁船が魚探の反応を探して近くをぐるぐる回っている。
船長がこの小さなカヤックに気づいているかどうかわからないので緊張しながらやり過ごす。
灯台を右回りに半周して風裏に入るとそこは入り江になっていて、先客がボートで上陸していた。
灯台の北側は水深2mほどで良い感じに海藻が生えている。
カヤックの脇に餌木を沈め、しばらく風に流されながらしゃくってみるが反応なし。
そのうち亀城礁の風裏からカヤックが外れて、けっこうな風が吹いてることに気が付く。
うねりはないが波も出てきた。
そう、ここはいつものような陸地のそばじゃない。
半径1km以内には灯台以外、一切逃げ場のない正真正銘の沖だ。
少しビビリながらマジ漕ぎで帰路に着く。
南風に流される分、南寄りに頭を振って漕ぐのでなかなか前へ進まない。
マジ漕ぎしてるにも関わらず、行きと同じ30分かかって荒崎に到着。
ここまで来ればいつでも緊急上陸できる陸地があるのでひと安心だ。

気が大きくなったところで、帰り道ものんびりエギングしながら長浜を目指すが、さっぱりイカは相手をしてくれない。
こんなに反応がないのなら、朝イチちびイカが追ってくれたポイントでもう少し粘っていれば良かったかも。
帰りに同じポイントで餌木を投げてももう反応なしだ。
3時、長浜上陸。
海上にいる時は感じなかったが、マジ漕ぎしたおかげで腹筋が痛い。
メタボなお腹が少しはへこむかな?
(^ー^;