5年前に辺鄙で閉鎖的な八重山の鳩間島へ友達と8名で出かけたことがあった。
その時はちょうどオレの誕生日と重なり島では盛大に誕生日を祝ってもらった。
泊った宿は漫画「光の子」のモデルになった里子制度を始めた本人の宿だった。
ご主人と奥さんとふたりで内地の問題のある自閉症の子を預かって育てている。
もとは子供がいなくて廃村の危機にあった状況を立て直すための子乞いだった。
この鳩間島はどちらかというと観光を拒んでいる閉鎖的なほうの八重山の島…。
どうしてもこの島に行きたかったオレは低気圧の中を友達を道連れに強行した。
定期便が止まってしまいバスと郵便船を乗り継いで半分意地で行った島だ(笑)
ここには石垣島で見るようなリゾートはない…南島の荒々しい自然があるだけだ。
実際、八重山の巨大なリーフ礁からはポツンとはずれた完全に外海に浮かぶ島。
美しい景色とは裏腹にそこかしこにいっぱい危険があってなかなか険しいところ。
友達が用意してくれたうれしい誕生祝いには主人であるオジーも参加してくれた。
頼んでおいたヤシガニとお祝いだと言って潜って採ってきてくれた貝刺も並んだ。
名前も分からないこの海だけにいる貝でとても美味いからと用意してくれたもの。
夕食後は泊り客も一緒になって大宴会になった…本当に最高の誕生日になった。
で、調子に乗って弾いた「高那節」にケチをつけながらも手拍子を入れるオジー。
漫画となった里親制度をはじめ音楽祭や誘致などたくさんの発起人になっている。
夕方にオジーとふたりで港を散歩した時にリゾート会社の節度の無さを叱ってた。
毎日、ダイビング船が昼飯とトイレに寄ってゴミだけ置いていくことに憤慨してた。
午後に漁から戻るといつものお宅でいつもの仲間と酒を飲む毎日を送っていた。
そして、漁をしながらも西の海岸で遊ぶオレたちをちゃんと確認してくれていた…。
実はちょっと無理をして波に巻かれて珊瑚で血だらけになって宿に戻った…(笑)
その時、オバーが飛んできて心配しながら何年前の?って赤チンを塗ってくれた。
珊瑚の美しいエリアは潮の流れが複雑だから無理して進んじゃダメだと怒られた。
その日、オジーも無理な漁をして舟から落ちて潮にのまれて必死で戻ったという。
夜は他の民宿の客と飲む約束をしていたので赤チンだらけのまま出かけた(笑)
その時に一緒に行った友達から来月にまた鳩間島に行ってくると連絡が入った。
で、また同じ民宿に泊るという…その会話が済んでまたすぐ電話がかかってきた。
予約の電話で昔に泊ったことを話すとオバーはオジーは亡くなったと知らせたと。
オレ達が行った翌年に亡くなって今はオバーが一人で宿を切り盛りしてるらしい。
だから今はヤシガニを頼んでもオジーがいないのでもう用意してあげられないと。
結局、あの美味い貝も名前が分からないまま…なんだか淋しい話を聞いたなあ。
鳩間中岡を登って、抱くように島を見渡すとなんと豊かな島だろうと歌う「鳩間節」
痩せた土地の鳩間は作物が育たないので島民は毎日西表に渡って農耕をした。
年貢米を納めるには辛い環境…あまりの辛さから豊かな鳩間島と歌ってみせた。
今はビギンが恋の島「鳩間島」と歌う時代になったが生活は相変わらず質素だ…。
かいだきてぃとぅゆる、まさてぃみぐぅとぅ…はとぅまなかむい、はいぬぶり。
