アコギ一本弾き語り。と言ってもいつ弦を切ってもいいように控えのギターも数本。枯れた味わいの曲も良いのですが,これをバンドでやったらどんな轟音だろうと思うような激しいストロークをかき鳴らしながらの獣の咆哮のような機関銃のような血の雨のような言葉の嵐もまた,かつての「パンクバンド」というスタイルには収まりきらないものを感じます。「60歳になってから老後を考えるのは遅い。まだ動ける50代の内に老後の生き方を決定した方がずっといい」とのたまいながら歌う「21世紀のニュー・ジジイ」という曲なんか,昔の曲よりも説得力が出てしまう55歳。
今回,6時半から9時15分(含むアンコール)という長丁場を歌い切ったのだが,長かったのは細かいトラブルが多くて止まってた時間が多かったのもあるんだろう。本当にPAとかのトラブルが多かったのが原因か,ミチロウ氏自身の不調だったのか,よくわからない。マイク位置を直す時にスイッチに触れてオフにしてしまった事が度々(歌い出してから気づいても,ギターを弾きながらなので自分で直せず,スタッフが飛び出してくるハメになる)。また,歌詞忘れで出だしが狂うことも度々。私はミチロウ氏のライブは三回目だが,こんなにトラブッたのは初めてだと思う。ではテンション低かったかというとそうでもなく,そう言った不調に挑むような後半の勢いは流石だったと思う。実際,前半はギターの弦を切らなかったが,後半は切りまくっていた。ゲストということで登場した今城氏(高松のライブ会場のマスターだそうで)も,アコギでブルージーな旋律を弾いて充分にサポートできていた。多分,ろくにリハもしてないはずで,あれはうまかったと思う。
日本のパンクと言っても,今となってはどんな意味があったのかよくわからないが,INUの町田町蔵(康)とスターリンの遠藤ミチロウは,四半世紀経った今でも淡々と等身大に尖っていて。ミチロウ氏,こうしてみるとハリガネのように細くて。余計なモノをいろいろと捨ててシェイプアップしているのだろうなと思う。そうやってガリガリに燃え尽きて死ねたらいいねと,ブヨブヨと太ってる私は思ったりする。

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