鳴子ジャーナル、本格的に始動します。
私の住む兵庫県は、年中、どこかでよさこい鳴子踊りのイベントが行われています。商店街のキャンペーンや地域おこしの催しの客寄せの一環とかで踊っていることもあれば、大学祭のステージや大掛かりなダンスイベントだったりします。そう言った踊りの場の中でも、五月のゴールデンウイークに加古川市という町で行われる「踊っこまつり」は兵庫県内の踊り子すべての耳目を集めるイベントと言って過言ではありません。一か月前となる四月初旬‥‥新曲の発表を前に参加するチームの緊張がひときわ高まる季節といえるんです。四十七都道府県の事情を網羅するのは容易ではありませんが、わが地元・兵庫の「よさこいシーズン」の本格的な幕開けとともに、この「鳴子ジャーナル」も気合を入れて更新していこうと思います。
日曜日を軸にスケジュールが立つダンスイベントなものですから、この時期だと「三月の最終」か「四月の第一」かというのは結構悩ましいものです。昨年は3/30に行われた京都の「さくらよさこい」ですが、今年は4/5の日曜日、四月になってからの開催となりました。昨年は雨にたたられ、あまり桜という感じのなかったお祭りになってしまいましたが、今年は開花こそ早かったもののその後の一変した寒さが奏功して「桜が満開のさくらよさこい」になり、お客さんや遠来の踊り子さんにとっても印象深いイベントになったのではないかと思います。
このお祭りは二日間開催で、初日の土曜日は「サクヨサコンテスト」、日曜日が本番の踊りの披露、という形になっています。コンテストは大賞と四神(しじん。東西南北それぞれを象徴する想像上の動物)の賞を争うものであるらしく、前日金曜日からの雨を引きずっての大荒れの天気の中で強行されたみたいです。私自身は日曜日しか行っていないので伝聞なのですが、相当な雨だったらしく、受賞演舞は取りやめになったそうです。お祭り・イベントの中には雨天時のために隣接の屋内施設に移行して開催するところもありますが、このさくらよさこいはそういうタイプのものではなかったようで、残念なことでした。
日曜日は、朝方こそ曇りがちな天気だったものの、開会式の十時半には回復、暑いくらいの好天の中での開催となりました。開会式ではゲスト出演の高知の「十人十彩」さんの演舞があり、それを目当てにやってきた人も参加の踊り子さんも釘付けでした。ただ、参加メンバーおよそ四十人全員での踊りではなく、半数の踊り子による‥‥ややセーブした感じの演舞だったのは残念でしたね。
会場は、本部会場となる京都市役所を中心に、徒歩で回りきれる圏内に数か所もうけられています。ただそれなりに距離があって、何度も往復するのは大変な苦痛です。距離だけでなく、政令指定都市・世界遺産の街だけあって、道幅は広く交差点を何か所も渡らなければならないケースもあり、巡回には地図で見る以上の苦労がありました。また、道路を使った会場もパレード用に設定されているところはなく、敢えて流し踊りをしたい‥‥というチームだけが踊れるというに過ぎないモノでした(横長の固定演舞)。片側の二車線なり三車線を完全に封鎖するということもできないので、例えば二車線のうち一車線と路肩を合わせた部分で踊り、コーンで区切られた残りの車線は車が通っている‥‥という変則的な設定は、見る側にも踊る側にも不必要な緊張を強いていたように思います。さらに言えば、植え込みや地下駐輪場の出入り口を挟んで踊りを見るような位置の会場もあり、踊りさえすればそれでいいのか、と首を傾げるような設定もままありました。
よさこい鳴子踊りの祭りに、大音量への苦情はつきものといっていいでしょう。このさくらよさこいでも、HPの掲示板で見る限りでも毎年苦情が寄せられています。実行委員会の方でも苦慮しているのだとは思うのですが、告知をしたら終わり、というような感じを受けました。確かに、覚悟していれば大音量も我慢できるのかもしれませんが、告知したじゃないか‥‥ではすむ問題ではないと思います。言い過ぎかもしれませんが、年に一度だから我慢してくれ、では通用しませんしね。今年は例年に比べると音量が下がっていたのでは?という声も聞きましたが、よさこい鳴子踊りの「鳴子の音」がスピーカーからの音に負けて聞こえないのでは、本末転倒といえないでしょうか。京都は「四つ竹」(よつたけ)という竹でできたカスタネットのような小道具を使って音を鳴らすのですが、その音も聞こえないのでは、京都らしさのための工夫もスポイルしてしまうことになり、他の踊りのイベントと変わるところがなくなってしまうと私は考えます。景観維持に厳しい京都の街だけに、音響効果にも、そして京都らしさを表現するためにも、もっと気を配っていたら‥‥もっとお祭りとしてのグレードも上がっていたのではないでしょうか。
さて。踊りについて。私自身が一度でも見ることのできた踊りのチームは、以下のものです(羅列は順不同で敬称を略します)。チーム名、読み仮名、府県名(それぞれわかる範囲で書いています)を列記します。
十人十彩(じゅうにん・といろ)高知
よさこい連「わ」(〜・れん・わ)大阪
チーム鬼灯(〜・ほおずき)兵庫
FGP忍(えふじーぴー・しのび)三重
丹波篠山楽空間(たんばささやま・らくうかん)兵庫
愛禅道(あぜみち)和歌山
夢舞隊(ゆめぶたい)大阪
桜流王(おー・る・わん)広島
安倉おきゃん(あくら・〜)兵庫
翔舞志(しょうぶし)岡山
飃〜FREEDOM〜(ふりーだむ)三重
風火雷霆(ふうか・らいてい)兵庫
よさこい踊り子隊晴心(〜・おどりこたい・はれごころ)兵庫
たくさん見てきたようで、なかなかそうではありませんでした。二日間で76チームの参加があったとのことですが(事前発表はたしか77だったと思うので、事情で欠席のチームがあったのかもしれません)、結局二割弱ほどでしかありませんからね。もちろん、半分だけ見れたとか、移動中にすれ違ったりというのはたくさんありましたが、それはまた別のことと考えるべきでしょうから。出演の順番を組み合わせるのも大変な苦労だというのはわかりますし、いくつかのチームがセットになったブロックの組み替えになってしまって、見たくても見れないブロックができてしまうというのも仕方がないとは思いますし。いまあげたチームは、半分以上はお馴染みの仲間ではありましたが、初めて見る・聞くチームもあり、今回はそういうチームをピックアップすることにします。
広島からの参加は「桜流王」さん。前日も見ていたという仲間からのお勧めもあり、何回か演舞を見ることができました。五月のゴールデンウイークに大きなイベント「フラワーフェスティバル」があることで知られている広島市は、その直前に「踊っこまつり」のある兵庫のファンにとっては近くて?遠い町。桜をイメージさせるピンク主体の衣装はインパクトがあり、このお祭りにとても似合った存在感でした。ちびっこもおり、ファミリーでの演舞はとても微笑ましたかったです。また、お祭りのPRも忘れないところなども好感度大でした。
岡山からは「翔舞志」さん。厳密に言うと初めてとは言えないんですが、意識して演舞を見るのは確かに初めてでした。岡山からはもうひとつ「笑輝」(しょうき)さんも参加されていて、そちらの方は何度も見てはいたのですが、今回は見ることができませんでした。どちらのチームも、「うらじゃ原曲」という同じ曲をそれぞれのチームの振り付けで踊る、というもの。衣装もメリハリがあり、道路を使った会場では敢えてパレードで道路を進みながら踊るなどのチャレンジ精神もあり、京都に岡山のお祭りをよくPRできたのではないかと思います。
「飃〜FREEDAM〜」さんは、全くのノーマークのチームでした。結果として、鳴子を持たない踊りで、どちらかと言えばダンスチームといった感じなのでそれは当然と言えば当然なのですが、大阪から来ていた仲間が「このチームに入るのも、選択肢だった」というほど、センスあふれる踊りを披露するメンバーたちでした。あまり写真も撮れなかったんですが、衣装や組み体操などで目から鱗が落ちるような工夫がありましたし、次にどんなところでどんな踊りを見れるかを楽しみにさせてくれました。
ゲストの「十人十彩」さん。正直、開会式のパフォーマンスは、人数も限られていたし、少し物足りなさを感じていました。それが閉会式の、全チームの演舞後のゲスト演舞では完全に払拭されました。参加フルメンバーでの踊りで、ぐいぐいと迫ってくるような迫力あるものでした。力を抜いていたわけではないにしろ、本気の本気が最後の最後に出た‥‥ということでしょうか。
最後に。「丹波篠山楽空間」さん。昨年末に発表した新曲「城花爛漫」(じょうか・らんまん)を引っ提げてのさくよさ初挑戦だったわけですが、これはもう、鳥肌ものでした。敢えて言葉を連ねるのを避けますが、小学生がいる・人数は三十人‥‥という土俵で踊るなら、他のどんなチームと比べても遜色はないと思います。高知や札幌の大きなお祭りの、たとえば大賞チームが相手であったとしても‥‥です。踊りのキレや構成、フォーメーションや衣装の変化、そして何より声が素晴らしい。去年の今頃まで、「まだ、もっと大きな声が出せるはず!」とエールを送っていた私でしたが、もはやそんな檄も必要ないほどになっていました。今回のさくらよさこいにおいて、十人十彩さんに匹敵するパフォーマンスを出せたのはこのチームではないかな、と思っています。
ジャーナルというにはまだまだ切り口が甘く、まだまだ見識が浅いのを自覚できています。これから修行を積みつつ、しっかりとした記事を書いていきたいと思っています(4/11、誤字脱字などを編集し直しました)。
さくらよさこいのHP(容量が大きいので、携帯電話では完全には見れません)
http://www.sakuyosa.com/
文責:ZERO

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