ZRX1100と共に長年使ってきたBERINGERキャリパーですが
BERINGERフロントキャリパー(6枚パツド)は既に旧タイプな上に
キャリパーの主流はラジアルマウント方式に移行しつつある現状です。
2012年現在、補修部品がまだ入手出来る様ですので
今のタイミングでフルオーバーホールする事にしました。
旧タイプのフロントキャリパー補修部品を扱っているのは
「デビルテクニカ」ですので、前後キャリパー分の補修部品の注文を
いれておきました。
まあ部品供給について、憶測や不確かな情報が流れるのは
あまり有益では無いので、私個人の実例を挙げてみたいと思います。
補修部品の注文を入れた時点でのデビルテクニカからの回答は、
国内在庫が無い為、注文、入金後、約60日の納期を
みて欲しいとの事でした。
勿論、長い納期も納得の上で発注してあります。
http://www.devil-technica.com/
まあ、現実問題として、ZRX1100からキャリパーを外して
約60日もの間、不動状態のまま、放置は出来ないので
現在使っているBERINGERキャリパーと全く同じ物、同じ色の
BERINGER前後キャリパーをオークションでゲトして
これをフルオーバーホールする事にした次第です。
ちなみに、2012年7月が納期回答の約60日後に当たる訳ですが・・・
現段階で新品でキャリパー買うなら、
間違いなくBREMBOキャリパーを選ぶと思いますが
BERINGERのフロント6枚パッドの6Pキャリパーなんて代物
今後出てこないだろうし(見た目のインパクトもあるし)
ZRX1100とBERINGERキャリパーの組み合わせで育って来た私としては
多少なりとも愛着があったり、もう少し「改善してみたいポイント」が
幾つかありますので、試してみたいと考えたからなんですね。
まずは洗浄です。
ブレーキパッドピン、ブレーキパッドは予め外しておきます。
弱アルカリ系洗剤をお湯割りにして、使い古しの歯ブラシで
軽くブラッシングして大まかな汚れを落とします。
BERINGERキャリパーは、ボディ全体にアルマイトが掛かっているので
アルミ特有の腐食が無く、比較的汚れが落ちやすい方なのですが
ブレーキダストが高温でキャリパー表面に焼き付いた様になっていて
中々落ちませんのでマイクロファイバークロスを使います。
アルカリ系洗剤のお湯割り+マイクロファイバークロスの組み合わせは
汚れ落としに対して非常に有効で、チカラを入れずとも
着実にこびりついたブレーキダストを落とす事が出来ます。
気になる様な汚れが大体落とし終わったら
万遍なくシリコンスプレーを吹き付け、自然乾燥させます。
次はキャリパーのブリッジボルトを抜いて
キャリパー本体を分割する訳ですが、何の予備知識も無かった事と
BERINGERキャリパーの材質(スーパーソニック材)に対して
ブリッジボルトがステンレスだった事から
分解作業中にネジ山同士が固着(溶着)してしまう事が怖かったので
ボルト首下の僅かな隙間と、ボルト先端のネジ山の隙間から
浸透潤滑剤を、朝と晩にスプレーして、
この作業を延べ5日間、繰り返しスプレーし続けました。
ネジ山の奥の奥まで浸透潤滑剤が浸み込むのを待っていたんです。
結論から書くと、キャリパーブリッジボルトのネジ山には
薄っすらとロック剤の様なモノが塗られた形跡が見られたので
ロック剤が塗られているネジ山部分には浸透潤滑剤は
入っていきませんから(ロック剤が無い所には浸み込んでました)
延べ5日間も浸透潤滑剤をスプレーして、隙間に浸み込むのを
待つ必要は無かった・・・かもしれません。
まあ、これは実際に分解してみなければ解らなかった事なので
「急がば回れ」って事にしておきます。
次はキャリパーピストンを取り外します。
ピストンシール部分には、洗浄した後乾燥させた関係上
油分がほとんどありません。
したがって、このままではスムーズにピストンが外せないと
想像出来ますので、メタルラバーMR20を使い
ピストンとシールの隙間にスプレーして潤滑させておきます。
そうそう、バンジョーボルトやエアブリードスクリューも
ピストンを取り外す前に外しておいた方が良いですね。
ピストンを外す工具は、DAYTONAから出ている
ロック機構付のピストン脱着ツールを使う事にしました。
http://www.daytona.co.jp/?/p/products.p10/family_id/5337/
値段はだいぶ高いですが、前に使っていたピストン脱着ツールよりも
格段に使いやすく、ロック機構が有る事により
余計なチカラを掛ける必要が無く作業を行えました。
ここからはBERINGERリアキャリパー2D1用データベースにしましょう。
BERINGER 2D1 リアキャリパーボディ
材質:スーパーソニック材
アルマイト(チタングレイ)
取り付けピッチ:84o
※BERINGERロゴはプリント
※キャリパー本体の重量が、正しく計測出来てませんでしたので
画像差し替えと共に重量を訂正しておきます。
キャリパー本体:69.2g+63.3g=132.5g
BERINGERリアキャリパーピストン(ステンレス製)
径:27.4o
高さ:15.5o
重さ:17.0g×2個
BERINGERリアキャリパーブリッジボルト(ステンレス製)
M8×30o P1.25
強度区分:不明(ボルト頭部の刻印が読み取れない為)
重さ:10.7g×2本
BERINGERリアキャリパーエアブリードスクリュー(鉄製)
M10× P1.00
長さ:28.0o
重さ:6.3g×1個
BERINGERリアキャリパーブレーキパッドピン(鉄製)
重さ:8.1g×1個
BERINGERブレーキパッド
シンタードメタル系(背面セラミック溶射)
品番:2547
重さ:70.8g(1セット分。摩耗している為、参考値)
BERINGERピストンシール&Oリング
ピストンシール(ゴム製品なので参考値)
外径33o×内径28o×厚さ3.4o
Oリング(ゴム製品なので参考値)
外径8o×内径4o×厚さ2o
重さ:2.0g(参考値)
(ピストンシール×2、Oリング×2)
BERINGER 2D1(リアキャリパー)のブレーキパッドを除く
合計重量は「204.3g」でした。
何故?構成部品一つ一つの重さを量っているのか・・・
たぶん想像の通りですが、もう暫くお付き合い下さい(笑)
フロントキャリパー偏に続きます。

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