2009年末頃に、自分でフロントフォークのOIL交換をした際に
アンダーブラケットのボルトが何故か?緩み難くて??
その原因を探る為によーく観察してみると・・・
関連過去記事
http://sea.ap.teacup.com/applet/933style3/20091226/archive
http://sea.ap.teacup.com/applet/933style3/20091228/archive
何と!
アンダーブラケットに使用していたボルトのネジ山部分が伸びていました。
(ネジ山が伸びていて曲がっている様に見えると思います)
過去記事のこの辺りの事は、まさにこの事だったんです↓
(※一部、問題点が発覚しましたが、来年の宿題に致します?)
※ZRX1100のアンダーブラケットはボルト&ナットで締結するタイプなので
ここまでネジ山が伸びてしまって曲がっている状態でも、ナットが外れれば
何とかボルトをアンダーブラケットから取り外す事が可能でした。
こちらが、
ZRX1100のアンダーブラケットに使われている純正ボルト&純正ナットです。
画像だとちょっと判り難いのですがボルトの頭には「7」と記されています。
これはボルトの強度区分を表わしていて、
最小引っ張り強さが7kgf/mm2を示しています。
ZRX1100/1200には、この数字の書いてあるボルトが数多く使われているので
気になる方は注意深く観察してみて下さい。
サービスマニュアルによる締め付けトルク 21Nm(2.1Kgf・m)
ボルト&ナットの重量は・・・21.5g
アンダーブラケットにボルト&ナット4組使うので・・・86g
そして、
自分のZRX1100のアンダーブラケットに使用していた
某メーカーのM8×50mmのステンレスボルトです。
ワイヤーロック用の穴が開いていてカッコいいですよね。
(ナットは他メーカーのチタン合金)
このステンレスボルトに付属していた説明書によると、
ステンレスM8ボルトの締め付けトルクは(1.7Kgf・m)でした。
M6・・・0.8kgf・m
M8・・・1.7Kgf・m
M10・・・3.0kgf・m
サービスマニュアルに従って、このボルトを規定トルクで締めてしまうと
ボルトのネジ山が伸びてしまう恐れが十二分にあった訳ですね。
この部分に使うボルトとしては、このメーカーのステンレスボルトは
強度が足りずに適切では無かったんですね。
その当時、有名メーカーがリリースしたステンレスボルトなので
デザイン、強度もきっと凄いに違いないと思っていたんですね。
この「思い込み」あるいは「人から大丈夫」と言われた。
と言うのが曲者(くせもの)です。
このM8×50mmのボルトはネジ山部分が約29mmあります。
その内の約20mmはボルトの中央が中空(約3mm)になっています。
軽量化という観点では、多少ボルト重量が軽くなると思いますが
強度の観点で見ると、ホームセンタでも見かけるステンレス中実ボルト
(SUS304)よりも確実に低下していそうですよね?
このボルトが出始めた当時、バイク雑誌を含めて有用な情報が乏しかった為
プライベーターではありがちな
失敗です。
プライベーターでメンテナンスをする方は特に気をつけましょう!
万が一走行中にボルトが破断したら大惨事になりますから。
「中空構造は見た目よりも強度が低くなる」
伸びてしまったステンレスボルトをそのまま使い続けても、
今後いつボルトが破断するか解らない状態なので
このボルトの継続使用は中止する事にしていました。
今後の選択肢として、
・元のボルトに戻す。
・クロモリボルトにする。
・チタン合金ボルトにする。
せっかくなら元のボルトに戻すよりも・・・
考える事数週間・・・
「ボルトの基礎知識」も参考にしてみたり↓
http://www.yds-hp.co.jp/kisotishiki.htm
結局、
バイク用品屋さんのセールで多少安く買う事が出来た
チタン合金ボルトを装着する事にしました。
このメーカーのチタン合金ボルトは、中実ボルトで造られていて
ネジ山は転造で作られているボルトです。
クロモリボルトとほぼ同じ引っ張り強度を持っています。
サービスマニュアルの締め付けトルク 21Nm(2.1Kgf・m)で
ボルトを締めても、ネジ山が伸びてしまう事も無いでしょう。
その分高価なのが難点ですね。
<追記>
このメーカーのチタン合金ボルトの推奨締め付けトルク
M4・・・3.57Nm
M5・・・6.90Nm
M6・・・11.19Nm
M8・・・28.30Nm
M10・・・57.60Nm
M8×50mmチタン合金ボルト&M8チタン合金ナットの重量・・・9.9g
ボルト&ナット4組で・・・39.6g
強度を落とす事無く純正ボルト&ナットの約半分の重量になりました。
交換後の姿です。
ビキニカウルに隠れるので、まず遠目からは違いが解らないはず?
<プチインプレ>
今までバイクに乗り続けていて、身体の方がアンダーブラケットを
ステンレスボルトで締結していたフィーリングに馴染んでしまっていたので
気が付き難かったのですが、逃げていたチカラがボルト交換した事で
シャキッとして、バイクが一回りコンパクトに感じられる程に
ハッキリと体感出来ました。
まあ、あれだけボルトのネジ山が伸びていたので
元の純正ボルトに戻しても同様に感じたと思いますけど(汗)
誤解しないでいただきたいのは、
今回取り外した、このメーカーのステンレスボルトが駄目な訳では無く、
純正で使われているボルトの強度を十分に見極めた上で
同等以上の強度があるボルトを使った方が、より好ましい・・・って事です。
<追加>関連過去記事
http://moon.ap.teacup.com/applet/933style2/20090604/archive
ZRX1100に乗り始めた1998年当時に比べて、
2010年、現在では調べようと思えば
必要な情報はインターネットで入手出来る様になりましたから
もし、疑問や不安があるなら、まず調べましょう。
全てが正しい情報なのか?と問われると、ちっと困りますが(汗)

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