青空ガレージで作業中に突然降り出した雨の為、
作業予定を少し変更して幾つかの作業を先に進めておきました。
ステムベアリングに使うグリスは、これまでの使用例、使用する量、
コストパフォーマンス、体感的なフィーリング等を考慮して
実績があり、入手し易いNUTECハイパーMPグリスを使う事にしました。
http://nutec.jp/lineup/chemical/nc100.html
ステムKITに付属してくる新品ベアリングはご覧の通り、
ほとんどグリスが残っていません。
このまま組み込んでしまったのでは、ベアリングが長持ちしませんので
グリスアップして組み込んでやる訳ですね。
メーカからラインオフした新車の状態も、ステムベアリングのグリスは
ほぼこれに近い状態なので、出来れば早期に(或いは最初の車検までに)
点検&グリスアップする事をお勧めいたします。
ベアリングにダメージが残っていなければ、グリスアップするだけでも
きっと目から鱗が落ちる位、良くなる事でしょう・・・
冬の時期、外気温は0度付近ですが、こんな寒さの中で作業をしても
指先にMPグリスを取って、ステムベアリングにたっぷりと
グリスを塗り込んでいますが、かなり柔らかいグリスであるのが
画像でも判るかと思います。
これはステム上側に使う新品ベアリングです。
こちらもほんの少ししかグリスはないですね。
たっぷりとMPグリスを塗り込んでおきました。
ヌルヌルするのでビニール袋の上に置いてあります。
小物部品全て、純正新品を用意して、グリスアップして使います。
作業に慣れているバイク屋さんなら、グリスの適量も判っていると思いますが
ステム周辺の作業などは、私の場合、自身の経験値が少ないので
これがベストな作業では無いと思います。
ダストシール裏側などには、グリスは適量よりも多目に盛っておいて
はみ出したグリスを拭き取る感じにしました。
続いて、トップブリッジからキーシリンダを分離します。
画像ではボルトの頭が無い様に見えていると思います。
ここの純正ボルトは、一定以上のトルクで締め込むとボルトの頭が
ネジ切れる様になっています(これは防犯上の為もある)
したがって、ボルトを外すのに、回して外す事が出来ないので
通常とは異なる作業を行います。
まず、ボルト中心に細いドリルで下穴を開けておきます。
折れたボルトを取り外す時に使う「エキストラクター」で
先に開けておいた下穴にエキストラクターの先端を食い込ませて
ボルトを摘出します。
この手法、折れたボルトの摘出に良く用いられるものです。
取り外したキーシリンダ。
新車から一度も掃除してませんので、経年の汚れが堆積しているせいなのか?
キーの回りもイマイチなので、完全に分解洗浄したいところなのですが
青空ガレージで作業出来る時間は限られていますので
今回は手抜き作業で掃除してみました。
パーツクリーナーで洗浄。
寒いせいもあり、パーツクリーナーが乾くまで少し時間が掛るので
歯ブラシで汚れている部分を軽く擦ります。
すると、汚れはだいぶ落ちて、キーの動作も軽くなりました。
あとはシリコンスプレーを吹き付けて、再度、動作確認を行い
暫くの間は、このまま使う事にします。
いずれ、完全に分解洗浄したい部分ですね。
通り雨も止んできたところで作業再開します。
(濡れない様にバイクカバーを被せて雨をしのいでました)
ステム下側、上側ベアリング、Oリングを組み込みます。
組み込む際には、それぞれMPグリスを十分に盛っておきます。
グリスで手がヌルヌルだったので撮影を忘れてしまいましたが(汗)
この後トップブリッジを装着する前に、ダストシール、
ステアリングステムナットを組み付けます。
このステアリングステムナットの締め方によっては、
ハンドリングに大きな影響が出るので、微妙なサジ加減が必要です。
今回は、ベアリングレースの打ち換えを行っていませんので
さほどナットの締め加減に神経質にならなくても良いと思い
最初はナットを手締めして、上下のベアリングの座りが
丁度良い加減までナットを締め込んだ後、ステムを左右に動かして
少し動きが重くなる位置までレンチで締め込んだ後、
今度はナットを少し緩めて、ステムの動きが軽くなる位置まで
(今回、1/8回転程、緩めてみました)調整しました。
今後、ある程度距離を走り、調整が必要ならば手を入れる事にします。
画像が抜けていますが、この時点でトップブリッジは組み込んでいます。
フロントフォークはインナーチューブ・アウターチューブを点検して
シリコンスプレーを吹き付け、汚れを軽く拭き取ってから
組み込む様にします。
ステムKITにフロントフォークを組み込んだら、今後の作業を進める上で
車体の転倒防止、安定性確保の為にフロントスタンドを再度使います。
ギルドデザインのステムKIT、ステムシャフトは非貫通ながらも
フロントスタンドが使える様に?差し込み穴が開いているので重宝しますね。
フロントホイール、フロントフェンダー、ヘッドライトを組み付けます。
詳細は省いていますが、各パーツを組み付ける前に
シリコンスプレーを吹き付け、ホコリ等の汚れは拭き取る様にしています。
燃料タンク、シート、ビキニカウルを組み付け完成〜!
ステムの色が純正ステムのブラックからシルバーに変わりましたが
外観からはそう目立つ場所でも無いので、パッと見の印象は変わらず。
むしろ印象が変わらなかったのは嬉しいです。
作業が終わり、組み上がったら再び雨が降り出したので
試乗は後日としました。
それでは、取り外したZRX1100純正ステム一式です。
・フォーク径:43mm
・フォークピッチ:205mm
・オフセット:30mm
・カラー:ブラック塗装
本来ならば、ステムナット、締め付けボルト等、
全ての部品を純正に戻してから、重量計測しても良かったのですが
面倒なので現状からの重量変化を知るには
このまま計測するのも良いかな・・・なんて思いました。
純正の特徴及び変更点は以下の通り。
トップブリッジ・・・アルミ鋳造
ステムナット・・・アントライオン
リジットマウントカラー・・・アントライオン
ハンドルポストナット・・・チタン合金ナット
ハンドルクランプ・・・チタン合金ボルト
トップブリッジ締め付けボルト・・・チタン合金ボルト
約1310g
ステム下側
純正の特徴及び変更点は以下の通り。
ステム・・・アルミ鋳造
ステムシャフト・・・鉄製で中空。
ステム締め付けボルト&ナット・・・チタン合金ボルト&ナット
約1810g
ギルドデザインステムKIT・・・約2370g
純正ステム・・・約3120g
ステム交換に際して、あまり意識はしていませんでしたが
ステムを交換する事で物理的に
「約750gの軽量化」に繋がっていた様です。
これって、結構フロントフォークのセットアップに影響が出そうな位
軽くなってしまいましたかね?
トップブリッジ厚さ・・・22mm
トップブリッジ締め付けボルト片側1本
ステム下側厚さ・・・43mm
ステム下側締め付けボルト&ナット片側2本

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