ブレーキキャリパーのブリッジボルトを本締めするのに
KAWASAKI ZRX1100のサービスマニュアルに記載されている
「ネジ部の直径によって決まる標準締め付けトルク値」を
参考にしました。
必要な部分のみを抜き出してみます。
・フロントキャリパーブリッジボルト10o
締め付けトルク(25Nm〜34Nm、2.6kgf・m〜3.5kgf・m)
・リアキャリパーブリッジボルト8o
締め付けトルク(14Nm〜19Nm、1.4kgf・m〜1.9kgf・m)
自宅に万力が有れば、キャリパーを挟んで作業出来るのですが
残念ながら万力が有りませんので、バイクに一度取り付けてから
キャリパーブリッジボルトの本締め作業を行います。
フロントキャリパーの場合、
ブリッジボルトが4本あるので、大まかな作業の流れとしては
内側のボルトを先に締めてから、外側のボルトを締める事で
締め付けによって生じるボディの歪みを、外側に逃がす様に作業を進めます。
本締め作業を行う前のキャリパーのブリッジボルトは、
指先のチカラでボルトを締め込んだ仮止め状態になっています。
この状態から、ボディ本体とボルトをほんの少し微調整して
いわゆる「座りの良い位置」してから、一度、ラチェットハンドルで
順番通りに締め込みます。
この時の締め付けトルクは、ある意味適当で過大でなければOKです。
締め込んだ状態から、ボルトを半回転程緩めた状態にして
トルクレンチを使い、規定トルク値でカチッと音がするまで
順番通りに締め込んでいきます。
フロントキャリパーのブリッジボルトは10o径あるので
締め付けトルク値は2.6kgf・m〜3.5kgf・mと言う事から
(トルクレンチが旧式なのでkgf・mの方が判り易い)
今回は、2.6kgf・mでブリッジボルトを締め込みました。
キャリパーをフロントフォークから一度取り外して
キャリパー内側のボルトの頭部分とボディの一部(目立ち難い部分です)に
締め付けた証しとしてマーキングを行いました。
反対側のキャリパーも同じ作業の流れです。
まあ、非常に面倒な作業ですが、
自分のバイクに使うものなので、作業効率最優先の作業ではなく
納得が行く様に、手間を掛けるのも趣味の一部に入るのでしょうか(笑)
次はリアキャリパーです。
大まかな作業の流れとしてはフロント側と同様です。
万力が無いのでリアキャリパーサポートに固定してから
一度締め込んで、ボルトを半回転程緩めたところで
規定締め付けトルク値で締め込みます。
リアキャリパーブリッジボルトは8o径なので
締め付けトルク値は1.4kgf・m〜1.9kgf・mと言う事から
今回は1.5kgf・mで締め付けました。
一度キャリパーを取り外し、締め付けた証しとして
ボルトの頭にマーキングを行います。
見える部分になってしまいますがボルトの先端が露出してませんので
キャリパーの見える部分にマーキングしてあります。
これにてキャリパーブリッジボルトの本締め作業終了です。
<増し締めについて>
私自身、増し締めって言葉は、締め付けトルクを今までよりも更に増して
ギューっと、ボルトを締めつける作業の様な印象が有りまして
「増し締め」と言う言葉の、本来の意味合いとは少し違う意味に
受け取られてしまう可能性が有りそうな事から、
933style的な日々関連の3つあるブログ過去記事中には
これまで一度たりとも「増し締め」と言う言葉は
意識的に使用してきませんでした。
したがって、増し締めと同じ意味合いで使うなら
あえて「締め付け確認」を言う風に記述してきたでしょうか。
ZRX1100のサービスマニュアルに「増し締め」について
記述が有ったので書いておきます。
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ボルト・ナットはトルクレンチを使用して
必ず適正なトルクで締め付ける。
締め付けトルクが不足すると
ボルト・ナットが緩んで外れる恐れがある。
また締め付けトルクが大き過ぎるとボルト・ナットのネジ山が
潰れたり、ネジ部がねじ切れる恐れがある。
ボルト・ナットの増し締め及びトルクチェックを行う時は、
そのボルトまたはナットをいったん半回転戻してから
規定トルクで締め付ける。
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さて!?
組み付け作業は「その8」に続きます。

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