それでは交換作業に入ります。
一時的にサイドスタンドを取り外すので、交換作業の前に
予めリアスタンドで車体の後ろを持ち上げてあります。
サイドスタンドの可動部分の使用状態。
ここにはomegaの青グリス(やや硬めの粘度)をたっぷりと塗布して
組み込んでましたので、3年以上経過しておりますが
汚れてはいるものの、油分はしっかりと残っていました。
潤滑状態はまずまずと言ったところです。
一度、古い油分をパーツクリーナーで洗浄します。
サイドスタンドは、しゃぼん玉製のステンレス製(鏡面仕上げ)に
WPC+MOS2複合処理を施したもので、独特の艶消しグレー色です。
ボルト穴周辺には環状に接触痕が有りますが、
爪の先で擦っても段差は感じられない程度の痕でした。
WPC+MOS2複合処理を施した事で、摺動抵抗がかなり減っているのが
使用年月を経ても、接触痕が少ない理由とも言えそうです。
今回の様に、ステンレス材にWPC+MOS2複合処理を施した品物を
エンジン内部の様に、潤滑状態が必ずしも万全とはいえない中で
数年間使用してきた状態の移り変わりをブログ記事に残しておく事で
(と言う程には摩耗進行は著しくないですが)
今後、他の部品にWPC+MOS2複合処理をした時のデータとして
判断材料の一つになる・・・かな?
サイドスタンドのスプリング、確か前回も洗浄後に使い回しました。
洗浄後に、よーく確認してみると、スプリングの中側に
少し錆が見られたので、時期を見て新品に交換するとしましょう。
今回は、再々使用します。
そして、今回使用するグリスは変更します。
yamamoto worksさんで入手してから、もう1年以上は経過してると
思いますが、プライベーターのグリス消費量はけして多くないので
ここぞと言う出番まで温存しておりました(笑)
SUPER LUBE(スーパールーベ)と言うメーカーの
合成油に、Syncolon(超微粒子PTFE)を配合してある
多目的(マルチパーパス)グリスです。
HPを見ると、成分や使用用途などが詳しく書いてあるので
文字通りマルチパーパスに使えるグリスではないかと思います。
SUPER LUBE(スーパールーベ)
http://www.super-lube.jp/index.htm
グリスの色は、半透明の白っぽい感じで、
手に取った感触は、比較的サラッとして伸びる感じがあります。
(感触的にはシリコングリスが近いですかね)
使用してみないと解らない点も有ると思いますが
ベアリング周辺に使ってみたい気がします。
フレーム側のサイドスタンド取り付け部分の古い油分も
入念に洗浄してから、SUPER LUBEを山盛りに塗布します。
サイドスタンドボルト&ナットver.1.1にも、十二分にグリスを塗り
隙間からグリスが出て来る感じで、サイドスタンドを組み込みました。
この後、サイドスタンドを何回も出し入れを繰り返して
サイドスタンドを馴染ませて、動きを妨げず、ガタツキが出ない、
丁度良い塩梅のナットの締め付け加減を探ります。
ナットの締め加減がほぼベストな状態で、ナットの脱落防止策として
0.4oのステンレスワイヤーでワイヤリング。
ワイヤリングの外側は熱収縮チューブで保護します。
中空加工したサイドスタンドボルトの中にワイヤリングを通して
ひとまず、ナット脱落防止策としました。
0.4oのステンレスワイヤーは、とても細く大きなチカラが加わると
切れてしまうので、定期的な目視点検が必要になります。
0.4oのステンレスワイヤーに熱収縮チューブを被せているので
結構太く見えますが、実際には見た目ほど太くないので
サイドスタンドを跳ね上げた状態で、フレームとスタンドに
挟まれていても、実用上は問題ありません。
装着完了です。
ちょっと離れて撮影してみたら・・・地味な色合いのせいか?
普通の人が気が付くレベルでは無いな〜(笑)
私のZRX1100は、BERINGERのクラッチマスターを使用していて
ハンドル側でサイドスタンドの安全装置をキャンセルしているので
サイドスタンド側のスイッチは不要なんですが
外してしまった場合の、コネクタ類の防塵処理が面倒なので
機能しなくても、そのままスイッチを残してあります。
このスイッチを取り除いたら、若干スペースが空くので
ボルト長が長く取れる事から、ナットも厚みが有る物が使えて
βチタニウムのグリップロックナットが使えそうな気がします。
或いは、外側からは見えない部分なので、
安全性重視ならば、純正の鉄セルフロックナットを使う手も有ります。
いずれも、ボルト側には中空加工、ワイヤーロック穴加工は
不要な加工になるので、この辺りをもう少し煮詰めて行けば
現実的な加工コストに落ち着くのではないかと想像します。
チタン合金素材のサイドスタンドボルト&ナットを製作して
WPC処理を施す・・・マイナス13.9gの軽量化ではあるけども
実用上は、ほぼ体感出来ないレベルの重さの違い。
我ながら、散財の極みですね〜(笑)

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