2009/10/23

ククリワナ-2  ワナ

 跳ね上げ式ククリワナの構造と方式

クリックすると元のサイズで表示します
 画像:このワナの主役であるバネです

バネの構造を少し説明します。私は自分で設計した設計図を専門のバネ屋さんに持ち込んで作ってもらっています。基本的な作動方式は同じですが、使う猟師によって腕の長さやまげ具合が少しづつ違ってきます。

 材質はピアノ線です。型を整えてから焼き入れが施されています。知り合いの猟師は、ピアノ線のなま線を一巻き買って近所の鉄工所で巻いてもらって作っています。この場合は焼き入れをしていません。比べてみましたが、やはり焼き入れをしたほうが長持ちします。獲物を括ってバネがねじ曲がったりするまでは何年でももちそうです。

 バネは腕や足が曲がったりしたぐらいでしたら、自分でハンマーでたたいたり、山で木の間にはさんで曲がりを直したりしていますが、太鼓がねじ曲がると使用不能になります。

 ピアノ線の直径は5ミリのものを使ってきました。私は使うワイヤーが3ミリの太さのものでしたが、現在は条例で4ミリ以上を使うことになっています。ですのでバネの太さも6ミリぐらいが良いかと思っています。
 
 クリックすると元のサイズで表示します
 画像:バネの腕

 腕の長さは太鼓の中心から先端までが約60センチです。腕の長さというのは獲物を括るために肝心な決め手になります。長ければ長いほどワイヤーのワッカの直径を太めることができます。足が輪の中に入る確立が高くなるのです。しかし、長くなるとはね上げるスピードが落ちます。撥ね上げるスピードが落ちれば獲物が身をかわして逃げてしまうかもしれません。これはどこで折り合いをつけるかという悩みの種です。だいたい55センチほどから60センチだと思いますが、私は腕の長さは60センチまでが限度ではないかと思っています。

クリックすると元のサイズで表示します
 画像:バネの腕の先端を上からみたところ、紐と木切れはバネを仕掛けて固定するもの

 紐と木切れを私はピンピロとよんでいますが、バネをしかけてこの木切れをトメにかけセンサーで固定します。

クリックすると元のサイズで表示します
クリックすると元のサイズで表示します
画像:タイコ
 
 タイコがバネの心臓です。直径が約6センチ、5回巻きです。

クリックすると元のサイズで表示します
 画像:足とツメ

 ツメはグラインダーなどで平(ノミのような形状)に鋭く研ぎます。ツメの長さは約3センチ、ツメを木や竹などに打ち込み足を針金で括り固定します。足の長さは約28センチ。

 クリックすると元のサイズで表示します
 画像:トメ、バネをしかけて留める道具です。

 ピンピロをこのトメの三角の頂点になったところに引っ掛けます。センサー(釣り糸など細い糸)をケモノ道に張ってその先に木切れを結びピンピロの木切れをそれにかけて固定します。獲物が通りかかってセンサーに触れるとピンピロが外れてバネが弾きます。

クリックすると元のサイズで表示します
クリックすると元のサイズで表示します
 画像:括りのワッカ

 これは一度締まると緩まなくなるワイヤーの括りです。獲物の足を括るものは、締めきらないようにワイヤーの途中に金具を取り付けないといけません。この仕掛けは鼻ククリに使っているものです。
8
タグ: 狩猟 害獣駆除

2009/10/13

ククリワナ-1  ワナ

 ククリワナのご紹介

 狩猟の世界は秘密にされることが多くあるように思います。獲物を捕ることが目的ですので、ライバルが増えるのを嫌うのです。それに、狩猟の技術というのも、それぞれの猟師が研鑽をつんで得てきた職人技ともいうべきものですので、個人の大きな財産ともいうべき技術です。狩猟は自分が腕を磨けば磨くほど猟の成果があがります。色々と工夫をしながら経験を積み、腕を上げていくものです。

 と、いうことで秘中の秘というべき個人技はひ・み・つです。

 私が狩猟を始めた初期の頃は、まったく得物を獲ることができませんでした。ビギナーズラックさえありませんでした。はじめはワナの側を通ることさえなく、完全に見抜かれていました。少し上達してくるとワナの仕掛けを弾かせるのですが、獲物を括るところまではいきませんでした。どうして、ワナを通っているのにかからないのだろうとずいぶん悩んだものでした。もう少し上達してくると、ワイヤーの失敗などが続きました。十分締まらず逃がしてしまうという失敗です。

 悩みに悩み、考え、誰かが設置してあるワナを眺め回してどこがどう違うのか確かめたりしながら、すこしずつ進歩していきます。

クリックすると元のサイズで表示します
画像:ワナにかかったイノシシ、ワイヤーの途中で光っているのはヨリ戻し

 初めてイノシシを括ったときは有頂天になるほど嬉しかったものです。

 今では、5箇所にワナを設置したら3匹の獲物を捕ると豪語する「天狗」です。
少しずつ「天狗」の道具をご紹介していきます。

 私が猟の対象としているイノシシやシカはたいへん警戒心が強い生き物です。

 彼らの天敵はヒト。ヒトは万物の霊長と思い込んでいるほどうぬぼれが強い動物です。もう太古の昔、ギャートルズの時代から彼らはヒトに付け狙われてきました。餌、じゃなかった食料にされ、今日まで対峙してきたのです。また、敵はヒトだけではなく、肉食獣もいました。ですので警戒心が強くなければ殺されてしまいます。警戒心の強いものが生き残り、その子孫、その子孫と警戒心、学習能力を高め続けてきています。

 さて、そのように淘汰をくりかえし、今までで最高の警戒心を身につけた?相手を捕まえるために、ヒトは創意、工夫を繰り返してきた結果、彼らを捕まえるためのククリワナにもたくさんの種類があります。

 seishinxさんからコメントでリクエストされたワナを紹介してみます。
 
 跳ね上げ式ククリワナ

クリックすると元のサイズで表示します
 画像:ワナをセッティングしたところ

クリックすると元のサイズで表示します
 画像:ワナが弾いたところ

 このワナはたいへんシンプルなバネを使った「足括りワナ」です。

 跳ね上げ式ククリワナの方式

 イノシシなどのハシリ(けもの道)に設置し、獲物が通りかかってセンサーに触ると作動してバネの力でワイヤーを跳ね上げて足を括るというものです。ワイヤーで2つのワッカをつくり、そのワッカをハシリに置いて落ち葉などでカモフラージュします。2つのワッカの真ん中に糸(センサー)を張り獲物がどちらの方向から通りかかっても、獲物の足がどちらかのワッカに入るようにするわけです。

 シンプル イズ ベストといいますが、このワナにもあてはまります。単純なほどワナの気配が少ないので有効なのだと思います。

15
タグ: 狩猟 害獣駆除

2009/5/29

箱ワナ-3  ワナ

 箱ワナのつくり

センサー
箱ワナのセンサーのタイプは色々とありますが、私が使っているものでは感度の高いもの、強い刺激が必要なものと2つに大別できます。

このセンサーが悩ましい。

クリックすると元のサイズで表示します
画像:中央に見える十字の鉄筋が引き金です。この横棒をイノシシが鼻でフンふんと突くと引き金が回って扉を留めていた鉄棒が引き抜かれて扉が落ちるというものです。

この画像のような仕掛けでは引き金が作動する為にはかなり力がかからないといけません。そのためイノシシが箱ワナの中に入って餌を食べていても扉が落ちていないということが度々あります。これが悔しい。めったに中に入らないのに、確実に閉じ込める方法はないものかと私は少ない知恵をしぼりに絞って考えました。

    下手の考え休むに似たり

こんな仕掛けもつくったことがあります。なんと落とし穴を掘ったのです。その穴に板で蓋をしてそのふたを踏むとセンサーが作動して扉が落ちイノシシを閉じ込めるというものでした。私の頭の中では完璧な仕掛けでした。エジソンさんでもこうはいくまい。

その仕掛けを作って1ヶ月ほど経ったある日、イノシシの足跡が箱ワナ中にずぶずぶとつけられて餌は喰い放題くったという状況が残されていましたが扉は何の反応もしていません。こ、これはいったいどうしたことだ?私の完璧な仕掛けがなぜ反応していないのだ。これは夢かもしれない。タヌキがばかしているのか。

どうしても合点がいかず、センサーである落とし穴を確認しようと醗酵した(大変匂いが強い:臭いともいいます)米糠をかきわけてのぞいてみると、なんと湿気と醗酵の熱で厚い杉板は膨張しふくれあがり木枠のなかできっちりとかっちりと締まりきっており、体重をかけて踏みつけてもびくともしないではないですか。

さて、こんどは感度を良くして少しの刺激で反応し扉がしまるようにすると、イノシシ以外の来訪者にも反応してしまいます。タヌキ、カラスなどよく来るようになりますがそれらの刺激でも扉が閉まることがあり、扉は落ちているのにもぬけのからということがよくあるのです。タヌキ対策としてはセンサーの位置をタヌキの背丈よりも高くする等対策はとれるのですが。

イノシシの場合にも欠点があります。イノシシは一族で来ることがありますが、その際、食いしん坊の一匹が先にとび込んでしまうと家族は外にいるのに一匹だけで扉が閉まるということもあるのです。箱ワナのまわりには大小の足跡が沢山あるのに中には1匹だけという場合はこうしたことが多いのではないかと想像します。強い刺激で反応する引き金の箱ワナでは一度に数匹が入っていることもあるのです。

それから、上記のように家族一同で箱ワナに近づいていて一匹だけ閉じ込めると恐ろしい目にあったその家族のイノシシは2度と箱ワナには近づかないかもしれません。イノシシは学習能力がうんと高いのです。特に危険に対する学習能力は高いと思われます。箱ワナが流行り始めた頃はびっくりするほど良く捕れていたのですが、だんだん獲物が少なくなってきたように思います。こうしたことも一因かと考えています。

完璧なしかけというものはなかなかできません。私の能力ではあるところで妥協しないと気が変になるかもという心配から、最近では感度を重視した仕掛けをもっぱら使っています。

獲物は一匹でもいいではないですか。
5
タグ: 狩猟 害獣駆除

2009/5/25

箱ワナ-2  ワナ

箱ワナの留意点:底の設置とストッパー

 箱ワナは一度設置すると気軽に移動することはできません。組み立てに時間がかかりますし、大きい上に材質が鉄ですので重たいのです。主に山の中がポイントになりますので運搬もなかなか大変です。ですので、設置するポイントの選定は重要です。良いポイントですと次から次へとイノシシが捕れます。良いと思っていても選定を誤ると1年も2年も全く捕れないということもあります。

箱ワナは大型も捕れますが、どちらかというと小型の警戒心の薄いイノシシがよく捕れるようです。

大型では箱ワナをよいしょっと担いでオリの下が空く場所まで運んで逃げたという話もあります。もちろんオリは側の木などに番線でくくりつけたり、木が近くにない場合は杭を打ってそれに括りつけて固定してあります。それでも上記のように逃げてしまう大物もいます。また、まれに穴を掘って抜け出すということもあります。それを防ぐためオリの下部にも鉄筋のメッシュをつけるのですが、そうした事例は少ないためややこしいのでつけないことも多いのです。私はつけていません。少し高額ですが、市販されている箱ワナには付いています。これからオリを作ろうと思われる方は底もつけておいた方が安心です。備えあれば憂いなし。

それから、扉のストッパーは是非つけておかれることをお勧めします。せっかく捕まえたはずのイノシシが脱走する一番の原因がストッパーがないことです。私の体験からいえるのですが、私ははじめはイノシシの能力を見くびっていました。あの重たい扉を開けて出ていくなどと想いもしなかったため扉のストッパーを取り付ける等は考えもしませんでした。この扉を開けて出て行くというパターンには色々とあるようです。オリに閉じ込められたイノシシは最初は暴れ回ります。そのうち扉が動くことに気づきます。固定されていないためがたがたと動きますが、それが縦方向には大きく動き鼻で持ち上げると下は解放されることに気がつくのです。持ち上げて空いた空間から出て行こうと離すとどすんと落ちます。これを繰り返しているうち、イノシシは頭にくるのでしょう?がちゃがちゃとやっているうち斜めに持ち上げた時扉の角がレールにひっかかり落下スピードが一瞬遅れることがあります。溶接の熱で歪んだりして出来の悪いオリだと扉が斜めになり抵抗で落ちなくなることさえありますし、溶接のでこぼこに扉の角が引っかかることもあるのです。おりこうなイノシシがこれを見逃すはずがありません。

ばいばい。

もう一つ脱出のパターンがあります。イノシシは家族一緒に(成獣の雄は単独で行動)暮らし、定住性が高いのですが、その家族一同オリに入っているということもあります。こうした時、母親が扉を持ち上げて子供を逃がすとうことがよくあります。また子供たちがオリに入って母親が外にいるうちに扉が落ちることもあり、母親が色々やっているうちに扉を持ち上げることが出来ることに気づき子供を助け出すということもあるのです。

こんなことがありました。

山奥の谷川のほとりのヌタ場の近くに箱ワナをしかけていました。車から降りて5分ほど歩かないとその場に行けません。ある日、見回りにいくとウリ坊が2匹入っていました。近づくとすぐ近くの薮でがさガサと大きな音がしました。母イノシシが潜んでいたようですがすぐに逃げてしまいました。

小さなイノシシは殺してもしょうがない(と、いうよりあまりにも可愛らしいので殺せない)し、大きくなれば悪りことし(いたずら者)になるので逃がすのも嫌だし、と、小さなイノシシは可能な限り連れて帰って監獄にぶちこんで太らせて食べることにしています。

連れ帰る為には移動用のオリがいります。めったにかからないし、箱ワナは一カ所ではないので移動用のオリは家に置いてあります。それに一人では運べません。家まで帰って相棒に電話して手伝いを頼みました。

家から現場までは車で20分ほど、それから鉄製の移動用オリを唐丸籠(とうまるかご)よろしく相棒とふたりで棒にとおして担いで、足場の悪い河原を歩き箱ワナの見える所までくると、「ありゃ、イノシシがおらん」。

箱ワナの中はもぬけのから。たぬきにでもばかされたような気分です。「いったいどうなちゅうがじゃろう?」といいながら覗き込みました。天井もウリ坊が出られるほどの隙間はありません。穴もほってはいません。

なんでじゃ。

相棒と出した結論は母イノシシが外からオリの扉を持ち上げてウリ坊たちを救出したのだ。でした。

みなさん、ストッパーは必要です。

4
タグ: 狩猟 害獣駆除

2009/5/19

箱ワナ  ワナ

 イノシシ用箱ワナ

クリックすると元のサイズで表示します

クリックすると元のサイズで表示します
画像:箱ワナです。

イノシシを捕まえるワナの主なものには先に紹介したククリワナとこの箱ワナがあります。箱ワナは鉄筋とアングルを電気溶接して組み立てたものです。鉄工所やメーカーが作って販売もしています。私は自分で手作りしています。

私が作る箱ワナのサイズは入り口が約1メートル四方、奥行きが1.5〜2メートルほどの長方形です。

箱ワナにも色々なタイプがあり、入り口が一カ所のもの、2カ所のもの(開放型)があります。入り口が一カ所だと奥行きがあるので小型化できます。2カ所の入り口だと解放されているのでイノシシの警戒心が低くて入り易いという説もありますが、これまでの成果ではそれほど違いがないように思います。

どうやって使うのかですが、箱ワナの中に餌を入れておきます。餌を食べようとイノシシが入り、引き金にさわると入り口の扉が落ちて閉じ込めるという仕掛けなのです。

この箱ワナ猟を行う為にはやはりワナ猟の免許が必要ですが、ワナの構造で免許が必要ない場合もあります。蓋がない箱ワナで農業や林業を営んでいる人が害獣対策として行う場合は狩猟期間中であれば自分の所有する土地に設置できます。

蓋のない箱ワナで気をつけないといけないのは、その高さです。最低2メートルは必要です。1.5メートルぐらいなら登っていって逃げてしまいます。 「イノシシが鉄筋のメッシュに足をかけてよいしょよいしょと登なんてウソでしょう」と思われるかもしれません。が、登るのです。彼らの運動能力は大したものです。豚の先祖なのだから豚とそれほど変わるまいと思っていると大間違いです。確かに豚はイノシシを改良(人間の都合に合わせた)したものですが、運動能力はまるで違います。忍者と赤子ほど違います。イノシシの成獣は助走なしで1.2メートルの塀をひょいと飛び越しますし、3メートルの石垣を上り下りします。

我が家には5センチメッシュの鉄筋で四方を囲んだ檻を置いてあります。山から捕まえてきた子供のイノシシを収監するためですが、天井は最初15センチメッシュでした。まさか天井まで登って逃げ出すなどとは夢にも思っていませんでした。ある時、ウリ坊を4匹入れてありました。数日すると3匹になっています。目をこすって確かめてみたのですがどう数えても3匹なのです。どこにも逃げ出す隙間はありません。そのうち逃げ出したウリ坊は兄弟が恋しいのかひょっこり出てきて、檻の周りをうろうろしています。何とか捕まえてまた檻に入れました。しかし、どうやって出たのか??????。私は物陰に隠れてしばらく檻を見張っていました。

びっくり仰天。

ウリ坊はたたたたと檻を登りだしたのです。あの足でです。足は「トン足」、豚と全く同じです。天井のメッシュの穴から身体を乗り出して出ようとしています。私は飛び出していって脱走をくい止めました。

その後は、天井にトタンを乗せて重い重しをして脱走騒動は解決しましたが、「栴檀は双葉より芳し」のことわざを思い出しました。

箱ワナの餌

餌は一般的なのが米糠です。米糠を2袋(約25キロ)ほどをオリの中に入れます。米糠の他にはサツマイモなどがよく使われます。他にバナナや果物、変わったところでは酒粕がうんとよく効くという話もあります。私は米糠、サツマイモ以外は使ったことがありませんので、それ以外の餌の効果のほどは判りません。ただ、果物類はイノシシは大好きなので効果は大きいと思いますが、それを購入して餌に使うには経済的に少したいへんですね。

米糠を入れていると、タヌキがよく食べにきます。もう主食にしてしまうようです。オリの近くのタヌキの便所の溜糞はもうヌカばっかりという感じになってしまいます。オリの引き金となるセンサーを少しの刺激でも反応するように設定するとオリの蓋が落ちているのに中は空っぽということがよくあります。10センチメッシュのオリだとタヌキは簡単に脱出してしまいます。扉が大きな音をたてながら落ちてくるものですので慌てて飛び出そうと入り口に突進して扉の下敷きになって昇天していることがたまにあります(合掌)。

米糠は何日もたつと醗酵して、甘酸っぱいような匂いを発するようになります。この匂いがイノシシにはたまらないようです。ヌカを入れたてのときよりも醗酵してからのほうがよくイノシシが寄ってきます。

6
タグ: 狩猟 害獣駆除

2009/4/4

落としワナ  ワナ

私が使っているワナを紹介しましょう。

 〈狩猟〉
 イノシシやシカを獲る方法として大別すると鉄砲とワナ猟があります。犬だけで獲物を狩る猟は現在では禁止されています。ですが、誰でも狩猟ができるわけではありません。狩猟免許が必要です。免許制と猟期の設定により、密猟の防止や野生動物の保護などを目的としているようです。

 狩猟免許の種類
●網猟免許 - 網
●わな猟免許 - わな
●第一種銃猟免許(旧乙種) - 銃器(空気銃及び圧縮ガス銃を含む)
●第二種銃猟免許(旧丙種) - 空気銃及び圧縮ガス銃
 以上の4種類の免許があります。

私は職業である農業への被害をくい止めようとイノシシ駆逐をやってやろうと狩猟を始めた訳です。そこで比較的簡単に取得できる「わな」の免許を取りました。免許が取りやすいだけではなくワナ猟だと単独でできることが魅力です。現在では農業被害対策で害獣駆除を奨励するためワナ猟の免許はできるだけ簡単にとれるように行政側が配慮しているようです。

イノシシ被害をくい止める効果は「捕まえる」というのが正解です。最も有効でした。「薮に石を投げ込むとイノシシに当たらあよ」と冗談をいうほどいて、ものすごい被害にあっていたのですが、いまや被害は激減しました。

ワナ猟の方法にも色々とあるのですがその中に「くくり」と呼ばれるワイヤーなどを使って獲物の身体を括って捕まえる仕掛けがあります。その「くくり」にもいくつもの種類・方法があるのですが、ワイヤーだけで獲物を捕る方法とバネなどを使う方法が主なやり方でしょう。私は金属製のバネを使ったワナを使っています。

ちなみに、ワナに使うバネですがこれは素人には作ることが出来ません。バネ製造の業者やワナをつくって売っている業者などから入手するわけですが其の価格もバネのみで数千円から猟具一式で2万円以上するものと大きな幅があります。私は好みのバネを設計し業者に頼んで作ってもらい、ワイヤーとカシメ材などを購入し道具は自作しています。

バネを使うククリ以外に「突っ込み」というワイヤーだけでイノシシなどを括るワナがあります。これはイノシシなどのハシリ(通り道)にワイヤーのワッカを仕掛けておきイノシシ等が首を突っ込んだり身体を突っ込むとワイヤーが締まって獲物を括って捕まえるという仕掛けです。

私のワナは2タイプです。一つはイノシシのハシリにバネにとりつけたワイヤーを置いてケヤマ(センサー)を張り、イノシシがケヤマに触るとバネが弾きイノシシの足を括るというものと、同じようにハシリに穴をほりイノシシが踏み込むとセンサーが働いてバネが弾いて足を括るというものです。こうしたバネを使うワナは道具や仕掛け方に沢山の種類があります。私は出来るだけ経費をかけず、簡単に設置でき、その上よく獲物が捕れるワナを絶えず追求しています。

〈長野式落とし穴〉
クリックすると元のサイズで表示します
画像:ハシリに塩ビパイプがすっぽり埋まる穴を掘り、其のわきに置いた塩ビパイプ。

私の落とし穴タイプのワナは塩ビパイプを使うもの、ただの穴だけ掘ったものの2とおりです。塩ビパイプのものは画像のように金網を番線の枠にとりつけて中蓋にし其の下に引き金の役割を果たすステンの針金が張ってあります。穴だけのものは竹(孟宗竹・マダケ)を割り箸大に割ったもので穴の蓋をして其の下にやはり引き金の役割を果たすステンの針金が張ってあります。イノシシが穴の蓋を踏むと引き金が引かれてバネが弾くという仕掛けです。

クリックすると元のサイズで表示します
画像:掘った穴にパイプを仕込んだ所です。地面から2センチほど深くまで埋め込みます。

穴が完成しました。足括りのワイヤーはこの穴のサイズよりもひと周り大きく(穴・パイプより1〜3センチほど広く)設置します。それから引き金をセットし、あとは土・落ち葉などでカモフラージュするのですが、蓋が隙間だらけなので土が落ちて穴をふさいではいけません。そこで蓋に紙等を使い目隠しをします。

クリックすると元のサイズで表示します
画像:雑誌を破り取って目隠しをしました。

クリックすると元のサイズで表示します
画像:カモフラージュしました。完成です。

あとは獲物がかかるのを待つだけ。しかし、じっと待っている訳ではありません。ワナを設置すると見回りが必要です。毎日、ワナを仕掛けた山々を上へ下へ谷を越え尾根を越え見回ります。わくわくしながら回っていくのですが最近は体力の衰えを痛感することが多くなりました。

思考はそれほど老いたとは思いませんが、身体のほうが思いどうりには動いてくれなくなってきました。谷を渡っていて、思わず足をすべらせたときなどそれほど危機を感じないまま「あれ?」、足が思うように出せずにドキッとしたりするのです。

ワナの設置で気を使うのは、いかにヒトの気配を残さないでワナを完成させるか、です。私の相棒はそのためにタバコを止めました。彼らの臭覚はすごいらしく臭いを残さない工夫を色々としています。私は手袋をはめる。表土の下の土はビニール袋に納めてワナの設置後遠くへ持っていって捨てる。周りの立ち木にあまり寄りかからない。汗をつけない。ワナを設置する時膝をつかない。などなど。
私はやりませんがワナに使うワイヤーの油抜きをし、ピカピカ光るのでヤマモモの葉と一緒に長時間煮込んで枯葉色に染める人もいます。

獲物がかかるのは「運」それとも「腕前」?
運が良いとか悪いとか人は時々口にするけど。まあ、私も口にはしますが、それほど運を信じてはおりません。
15
タグ: 狩猟 害獣駆除

2008/3/5

ワナ(1)  ワナ

 クリックすると元のサイズで表示します
 写真:バネ式足括りワナです。左がバネとワイヤーと標識(白い札)、右が引き金(センサー)をとめる道具(コザル)です。

 バネ式括りワナでもっともシンプルな仕掛けです。ワイヤー部分がきれいに写ってないので判りにくいですが、二つのワッカになった足括り部分のワイヤーを地面(イノシシの通り道)に置いてセンサーを張ってイノシシが触るとバネが弾いてイノシシの足を括る仕掛けです。

 シンプル=ベストといいますが、まさにその通りでヒトの痕跡が残りにくく設置も簡単で私が多用する仕掛けです。

クリックすると元のサイズで表示します
画像:仕掛けをセットしたワナ。
2
タグ: 狩猟 害獣駆除



teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ