2015/10/10  9:30

邪馬台国を行く おまけ  


古代、中国の戦いは、戦車戦である。 1台の戦車を、乗と呼ぶ。

1乗の戦車は4頭立て、後ろに把車という引車をつけて、それに甲冑を着けた兵士が3人乗り込む。 ( ベン・ハーという映画の中の、戦車レースを見た方は、よく分かると思う )

1人は手綱で戦車を操り、脇の2人が弓矢で攻撃をしながら敵兵を蹴散らし、撃破するのである。 この戦法を編み出したのは、秦の始皇帝であった。

その兵制では、1乗の戦車に兵卒72名、輜重25名が付く。 都合、1乗100名の戦車で、100乗の戦車隊と言えば、1万人の兵力なのである。

魏の甘露元年(256年)、この年は、蜀漢の延熙19年、呉の太平元年、と中国に3つの元号が公布され、人々は3国の打ち続く騒乱に、世の無常を深く感じるようになり、次第に仏教が国内に普及しつつあった。

その9年前の正始8年、倭国では邪馬台国の女王”卑弥呼”が亡くなり、宗女の”壱與”が女王として擁立されて、朝貢が行われたのである。

時代はまさに、三国志の舞台であった。

天下は、魏 ・ 呉 ・ 蜀 の3国に分かれ、互いに攻伐を繰り返しながら、覇権を狙っていたのである。

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 ( 蜀の名将 諸葛亮 ”字は孔明” )

3国の内の蜀漢は、国内に辺境の地が多く、富国強兵もままならず、度々魏の侵攻を受けていた。

宰相であった諸葛孔明は、蜀漢皇帝”劉備玄徳”に、蜀を守るべく北伐を進言する。 玄徳亡き後、蜀漢皇帝を引き継いだ”劉禅”に、孔明は有名な”出師表”を奉呈して、北伐を開始するのである。

魏の青竜2年(234年)、卑弥呼が最初の朝貢を行う5年前、五丈原に於いて、魏の名将”司馬仲達”と孔明は激突する。 世に名高い ”五丈原の戦い” である。

しかし、戦いの最中に不幸孔明は亡くなり、双方の傷み分けに終ったのであった。

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 ( 蜀漢皇帝 劉備玄徳 )

孔明亡き後の蜀漢は、度重なる魏の侵略と北伐に疲弊し、魏の景元4年(263年)に滅亡する。

一方、残る南方の呉は、孫権から続く孫氏の政権を維持していた。

しかし魏は、南征軍を組織し、建威将軍であった王戎(竹林の七賢の一人)は、王都”武昌”に進軍しこれを攻略する。

魏の咸寧6年(280年)、南征軍は約20万の大軍で武州を攻め、呉の皇帝”孫皓”は降伏、天下は魏によって統一されたのである。

だが、曹操一族の魏王朝も長くは続かなかった。

宰相として曹操に仕えた司馬懿(字は仲達)は、老獪な人物で、自身の一族が皇帝の玉座を手に入れるべく、着々と布石を打っていたのである。

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 ( 大将軍 司馬昭 ”皇帝以上に実力者であった” )

仲達の子”司馬師”は、不幸病死したが、その弟の司馬昭がその意を継いで、正元2年(255年)に大将軍となった。

すでに漢王朝の”献帝”と同じく、政治の実権は司馬氏に握られていて、14歳にして皇帝になった”曹髦”は、まさに傀儡だったのである。

魏の咸熙2年(265年)、晋王の位にあった司馬昭が亡くなり、その子の”司馬炎”が元帝(曹奐)の禅譲を受けて、宿願の皇帝の玉座に就いたのであるが、もちろん、禅譲という名の乗っ取りであった。

これが、晋王朝初代皇帝の武帝である。

司馬一族は、仲達より始めて3代目の司馬炎で、ようやく野望を成し遂げたのである。

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 ( 晋王朝 初代皇帝 武帝 ”司馬炎” )

倭人伝には、間違いや誇張が多いと学者や研究者は言う。

確かに、戸数や距離を表わす里数に、疑問を抱かせるものが存在する事は、事実である。
それでは、すべての記事に疑問符が付くかと言うと、それはあり得ないと筆者は思う。

当時の史書と言うのは、皇帝の命により編纂される正史であって、その中に虚偽の記述があると分かれば、編纂者の首が飛びかねないのである。

これは、著作郎 (今でいう文書課の課長クラス) の罷免と言う事ではなく、本物の首が飛ぶことを意味するのだ。

従って、魏志を編纂した著作郎の”陳寿”が、倭人伝のすべてに誇張や虚偽の記述をしたとは考えにくいのである。

かと言って、すべてが事実とも認め難い。 卑弥呼に言わせれば、よく衆を惑わす”魏志倭人伝”なのである。

さぞかし卑弥呼も陳寿も、あの世で”衆を惑わす”倭人伝を楽しんでいるのではないのだろうか。


本当に おしまい。

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