
(潮が引き出して岩場が現れる)
淡島神社から南へ向かった我々の前に潮が引き出して浅くなった岩場が現れる。浜からある程度沖にでないと底を擦ってしまう。しかし沖は白波が立ちだした。まあ気をつけていこう!

とその時、エルズミアのエヌ氏の叫び声!どうやら底をひっかいたようだ。ところがその場で艇が沈みだす。い、いったいどれぐらい切れたんや?とにかくまだ岸に近くだったので、すぐ横の岸壁に寄せる。ちょうど階段を見つけたので全員緊急避難だ!

(無残、30cmのカギ裂き!)
なんとエルズミアの底が30cmに渡って裂けている。これは貝かフジツボか!川では石は丸く削られてるが、海はこれがあるんですよ。しかしまたきれいに切れたもんや!
この一気にきれないようにファルトにはアラミド繊維を織り込んだものがフジタカヌーでいうEXの生地。やはり縦横に補強が入っていたら、ここまで一気に切れることは考えにくい。まあなくてもめったにここまではならないが、こうなってしまうと正直お手上げ。
ARFEQでいえば、以前のブラックボトムのときは、エルズミア・ボイジャーは縦横に補強を織り込んだものを使っていた。それがグレーボトムで価格を引き下げた時にすべてアリュートと同じの縦横折込無しの生地になった。
まあなってしまったものは仕方ない。ここでどうするかの相談。
まずここはまだ加太から歩いて5分ぐらいのところなので、艇を畳んで加太の駅から一駅移動して磯ノ浦に戻る。
次にここでまっていてもらって、迎えに来る。
最後はなんとか漕いでいってみる。

(補修後、なんとか浸水せず浮いている)
まあそこから磯ノ浦まで4kmほどだ。問題は田倉崎をどう越えるか!まあ行きも通ってきたところなので地形はわかっている。上陸自体は可能だ。
そこで漕いで帰ることになった。
まず乾かしてよくタオルでふき取る。そして布のガムテープを表裏と貼る。テンションがかからないようあえてエアスポンソンの空気を抜く。ただ30cmだとガムテープでは水圧がもたない。どうしても浸水してくる。こういうところで切れ目の長さが短ければまだなんとかなるんですけどね。今回は浸水して漕げなくなる前を見極めて浜にあげて貼り直しだ!

(水が浸みてきた!)
エヌ氏より私のほうが体重が軽いのでここからは私が漕ぐことにする。これは緊張します!
スタート、さすがに周りを見る余裕はない。少しでも早く早く!
漕ぎ出すと5分ぐらいで水が浸みてきた。はじめはかかとが浸かるぐらいがあっというまにくるぶしまでくる。なんとか膝が浸からないぐらいなら漕げないことはない。しかし急な動きはできないし、リーンもかけれない。ゆっくりあせらずボートコントロール。
それでもなんとか田倉崎の先端を越えて岸に寄せる。さあ仕切り直しだ!

ガムテープがかろうじてくっついている。焦っても仕方ないので再び拭いて乾かす。

(乾かしてます)
ただ田倉崎を越えたというのが気持ち的に大きい。あと2kmほどなのでなんとかなるだろう!
そして再補修を終えて再び漕ぎ出した!必死で漕いで磯ノ浦海水浴場の端のテトラのところまでやってきた。ただそのころはもうそろそろヤバいゾーンになり、膝も水に使っている。でもここを寄せきったら砂浜だ!

どうしても後ろのほうが沈むのでシートの前に座り前傾する。でももうほとんど沈んでしまった。なんとか頑張るんだ!

ほとんど沈みながらなんとか砂浜へ。いやあ必死でした。でも心の中は久々のアクシデントにドキドキちょっと楽しんでたような・・・ただかなり無理な体勢で漕いでたので、右のヒジの近くが翌日筋肉痛、パンパンに張ってました。

(苦しむ私と写真を取りながら笑うSaiさん)
まだ時間は早かったけどそのまま全員上陸して片付け。こういうアクシデントを乗り越えると、また得るものがありますねえ。
こうして磯ノ浦-加太のまさに戦いは終わりを告げる。また友が島は仕切り直そう!本当にお疲れさまでした!
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