※投稿順が後になってますが16日の入院前の3連休の話です。
入院前に書いて予約投稿してるので入院中に何かあっても反映されてません。

(太平洋の日の出)
私は癌患者だ。
一応膀胱癌ステージWで余命1〜2年と言われている。
そんな私が心の支えにしてるのが言わずと知れたカヤック。
そして毎年ここぞという漕ぎをすることで自信になりまた漕ごうと思えている。

昨年でいえば1月の
方予海峡(豊後水道)横断、一昨年は松山から周防大島に渡った事、H29年はしまなみ海道を漕いで渡った事と大阪代表として国体の近畿ブロック大会に出た事。
若いころやったとか昔は出来たというのではなく、今の自分で出来る範囲で計画をして漕ぐ事がモチベーションに繋がり生きる力になっていく。

癌治療を始めていろいろ不都合が増えた。
腸をきりとって人工膀胱をつくったのであまり腹筋を使うと腸が飛び出してくる。
皮膚が弱くなり被れたりするようになった。
赤血球やヘモグロビンが低下、血中酸素不足で息切れしやすい。
消化が悪くなり食べれないものが増えた。
最近だが爪が炎症を起こし何本も抜けて痛いしすぐ出血する。
首の腫瘍が石灰化して動きにくいし痛い。
下腹部に断続的な痛みがある。
あと疲れやすく急にガクッとくる。

(岬の駐車場に車を止めて海況を見る)
そんな私だが海も川も前と何も変わらず受け入れてくれる。
波をクリアできなければ沈するだけ、漕げなければいけないだけ、そこには自力でいけるかどうかだけのシンプルな答がある。
癌患者というのも身体障害者というのも関係ない。
以前のようには漕げない。
残念ながらそれは事実で、海なら前は1日30kmはちょっとぐらい荒れても行けると思っていた。
条件があえば40kmでも行けるし実際漕いだ事もある。
川もちょっとぐらいの瀬で沈するなど考えもせず、実際40代で大歩危小歩危に7回行って、最後の1回が沈1回、それ以外はロールもしてない。
そんな時代が確かにあったんです。

(室戸岬灯台)
でも身体能力は落ちても
経験は常に今が過去最高!
新しい経験が増える事でどんどん積み重なって行っている。
その経験を使いプランを組む、天候を水量を読む。
引く時は引き担ぐ時は担ぐ。
そしてここぞという時にチャレンジしてその思いを積み重ねていく。
今年のチャレンジは室戸岬。
関西なら大概の人が知っている所で海の難所だ。
今までにも3回行く計画をしてつぶれているし下見にもいった。

その室戸岬に行こう。
新しい治験がはじまったらどんな症状、どんな副作用が出るかわからない。
特に予想されるのが白血球が低下で、そうなったら漕ぐどころではない。
でも前の治験の薬の影響が抜け始め、新しい治験が始まる前ならある程度の事はできる。
痛みは薬と体調管理で乗り切ろう。
そして3連休の初日の11日、回送サポートしてくれる人も見つかりかなり気が楽になる。
更に怖いぐらいの好予報、うねりなし、風なし、波高低し、黒潮もかなり離れている。
ここまでいいと逆に不安だがどの予報サイトみても不安要素がない。
今の自分で行けるプランは立てた。
有難い事にサポートしてくれる人もいる。
家から遠いし難所だが、自分は室戸岬を漕ぎたいんだ。
では行こう、チャレンジャーとして室戸岬に。

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