2021/2/26
今年の1月・2月は葬儀が殊の外、多い月でした。
そんな折、友引の日に葬儀が当たり、棺の上にこのようなお人形さんが置かれてあり、納棺され共に火葬されることが多々あります。人形も迷惑な話だ・・・。

迷信とは根強いもので、今は令和、21世紀になって20年も経つのですが、いまだ前近代的な風習は根強く残っております。我々僧侶は迷信を啓蒙し、「正信(しょうしん)」を説くのが主ですから、おかしいことはおかしい、と説くのが仕事です。
いったい、我々仏教者は何を説いていたのだろうか・・・。
いまだ迷信が打破されておりません。
友引に関して僧侶仲間と話をしていたときに、試すような聞き方をしたのですが「なぜ友引に葬儀がタブーとされているかご存知ですか?」と聞けば「知らない、浄土真宗は迷信を嫌うからかな?」というような回答をされました。
私は仏事のプロである僧侶が「理由を知らない」、と聞き茫然としました。浄土真宗以前に仏教諸宗派の僧侶の方々も似たような対応ではないでしょうか。むしろ友引には葬儀をしない、と公言する方もいるかもしれません。・・「孫氏の兵法」を語るまでもなく、敵を倒すには敵の素性を知らないといけませんのに。
僧侶が、世間一般に友引を避ける意味を知らないで、どうやって門信徒に教化できるのでしょう?
件の葬儀で還骨勤行・繰り上げ初七日(初七日ではないですよ、繰り上げ初七日!)の時に次のようなお話をしました。
「トモビキってどんな漢字を書くのかご存知でしょうか? 友達を引くと書いて“友引”?いいえ、間違いです。正しくは“共引”ですよ、ハイ。カレンダーが間違っているんです。仏滅は物滅ですしね。教育が十分でない時代にできた暦が元になっているからこうなっているんです。印刷表記そのものが間違っているのです。友を引くでは意味が通らないのです。
・・・皆さんは日の良し悪しにお詳しいようですが、それではトモビキの前・後は何かご存知でしょうか? え?!ご存知でない!? 必ず前の日が“先勝”で後が“先負”ですよ。すると間に挟まれた日は必然的に引き分け、すなわち“共引”ではないですかね?
・・・それに最近は“家族葬”でしょう?そもそも“友達を呼んでいない”んだから尚更、トモビキを気にすることはないんじゃありませんか?」
ここまで言うと決定的なようで50代以下の方になると「今の話で目から鱗が落ちた」、と後で言われます。ご清聴ありがとうございます。
それでも高齢者の中の何人かは「お住っさんはまだ若いから、昔からのしきたりが分からないんだ!」と言われ、喪主の意向を無視して場を仕切り出す人が散見されます。こういうのを「老害」と言います。
肝心のお念仏や往生浄土の説法などしてみても、その人には今度は満中陰が三カ月に及ぶことを気にし出し、35日の件だが・・・と上の空です。
住職、「次はあなたの番ですよ」と言いたいところをグッと堪えます。
迷信とは、フェイク(虚構)です。信心はトゥルース(真実)です。
厄介なことにフェイクは一見、ホンモノのように存在しているのです。偽と真実を聞き分ける耳が必要です。それを親鸞聖人は『教行信証』に著されておりまして、その耳のことを「信心」と言っておいでなのです。
フェイクに翻弄される人の人生もまたフェイクです。
ホンモノを知らずして命終えることを「空しい人生」というのです。貴重な一回きりの人生、そんなことでいいのですか!?
僧侶の中にも、資格を取っていても「フェイク」はいっぱいいます。世間話ばかりで法話そのものをしない僧侶もいっぱいいます。
それを「虚無僧(コムソウ)」というのか、ひと昔前に京都の四条大橋あたりにいましたが、あれも偽物僧だったそうですね・・・。シャレにもなりませんが。
・・・とにかく、私は筋の通らない話ほどイヤなものはないのです。
ご縁ある限り、ブログや寺報の執筆、口頭で以て真実を伝えていきたいと思います。

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2021/2/8
引き続きステイホームの日々ですね。いかがお過ごしでしょうか?過日の森喜朗氏の問題発言は論外でしたが、私はオリンピックはやった方が良いと考えます。半年後の未来が見えているからです。
私が何を見ているかって?アレですよ、アレ。はっきりモノを言いますと、また問題発言だと言われますので「沈黙は金」を貫きますがね。ワイドショーを口を開けて見ている人には絶対に分からない未来です。物事は短期的に判断してはいけない、ということです。
さて、今日はさらにおススメの動画をご紹介したいと思います。
お笑いコンビ、オリエンタルラジオの中田敦彦さんの動画です。数々の日本史解説を始め、宗教への造詣も大変深いので驚きました。大変頭のよい御方です。説明力もずば抜けてイイですね。高校生あたりがこういうのを見たらイイだろうなぁ。
下に挙げますのは中田氏が築地本願寺を訪れた際の動画ですが、手がかりに関連動画の閲覧を強くお勧めいたします。

【日本史散歩B前編】築地本願寺〜中田が最も思い入れのあるお寺に大興奮! (←YouTubeにリンク)
ちなみに右に映る、副宗務長の東森尚人さんは、坊守の遠縁にあたります。何卒宜しくご支援のほどお願い致します。
築地本願寺、私も大好きなお寺です。最も浄土真宗の理念を体現している寺院だと思います。

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