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なむあみだぶつ
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2021/7/30
どこかで【浄土真宗では水やお茶を供えない】と聞かれたことがあるでしょう。
水をお供えされる方は「あの世で喉が渇いているだろうから水をあげないと可哀想だ」との理由で水をお供えされるのでしょうか。
先ずは先立った方が往かれた世界は「あの世」ではありません。不足や奪い合いのない「お浄土」であります。

『阿弥陀経』には「極楽国土には七宝の池あり。 八功徳水がそのなかに充満せり。」と説かれます。
八功徳水とは、
@ 澄 浄 (澄んでいる)
A 清 冷 (つめたくさわやか)
B 甘 美 (あまい)
C 軽 軟 (やわらかい)
D 潤 沢 (つやつやとかがやいている)
E 安 和 (やわらぎのある)
F 除 患 (患いを治す)
G 養 根 (滋養がある)
このような功徳があるから「ことさら仏壇に水を供える意味はないですよ」という趣旨です。真宗僧侶の中には「水を供えてはイカン」ということを言う人がいますが、そんなことは誰も言っていません。
水は供えるのですが「香水」でないと意味がないのです。
一般のお仏壇ではそこまでしなくてもよいと思いますが、本堂のご本尊前には華瓶(けびょう)という仏具に樒(しきみ)の枝を指し、水に香りを付けた「香水」をお供えし、お浄土の功徳に敬いの念を表します。

インドでは昔から安全な水の確保が大変困難で、病気も蔓延していたことでしょう。水の美しいお浄土の記述はさぞ願生心を促したことでしょう。
物理的な「水」の意味もありましょうが、お浄土では「心の渇き」をも潤していく功徳があると領解したいものですね。
ホトケさんに「水をあげる」、とか「供養してあげないと〇〇だ」とかいう発想は、仏様を見下した行為です。
一般的に供養(追善供養)とはそういうニュアンスがあるでしょう?
浄土真宗にも供養はあります。それは追善ではなく【讃嘆供養(さんだんくよう】です。仏様のお徳を讃え、成仏した故人を讃えるという意味があり、「〜してやる、しないといけない、バチが当たる」的な供養とは180度違う尊い行いです。
そこのところ、履き違えることのないよう、くれぐれもお願いいたします。

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2021/1/6
先に上げた年賀状のイラストを見て「十牛図の一つか」、と思われた方は寺院関係者の中でも案外少ないと思われます。
今年は丑年、私の当たり年でもありますから殊更に興味深い内容と思い、年賀状に絵を書き添えました。
十牛図とは何か、ちょうどいい外部サイトがありましたので、ご参照ください。
【悟りに至る過程を段階的に描いた十牛図】
この話とよく似ている西洋の童話が、
【青い鳥・・・兄チルチルと妹ミチルの物語】
です。
ともに「悟り」や「幸せ」という人生の大目標を求めて外に出る話ですが、結論は身近にあったのだ、とする展開です。
十牛図は禅における悟りへの階梯の話ですが、真宗的に見ても面白い話です。
求道・信心への過程が疎かになってはいけません。本山から発せられる仏法の内容はゴールから始まりますから、初心の者には一体何のことやら分からないと思います。丁寧に丁寧に、求道者の心理変化の過程を追従し、信心への味わいを深めていくべきでありましょう。
また、家にある仏壇を時代遅れのお荷物と思い、若い時分は遊学・放蕩したけれども、年老いて改めて南無阿弥陀仏、と自然に称えていたことに気付かされました、と言われる方も少なくありません。
大切なものは既に私たちの身のかたわらにあるのです。

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2020/10/25
先日来、YouTubeに数ある投稿動画の中、皆様に親しんでいただける仏教関連の映像が無いかと見ておりまして、今のところ私が一番のおすすめ動画をご紹介したいと思います。
神戸の真言宗・大本山須磨寺副住職であられる小池陽人さんの
【須磨寺小池陽人の随想録】です。YouTubeを開いて、検索なさってください。
数十本の動画があります。
なぜ浄土真宗の僧侶が真言宗を勧める?!という人(同派の坊さん)が必ずいますね。
そういう偏見があるからなかなか仏教が世に広まっていかない最たる原因でしょう。宗派に一番執着しているのは坊さんそのものです。先ずは仏教がいかなる教えなのか、を説くことが法話の第一義であるべきです。
でも浄土真宗は「法話の目的は仏徳讃嘆」です、と教えられる。それは結論であってそこに至る過程をすっ飛ばしている、と感じざるをえません。だから新しい信者を増やすことが出来ない。引いては宗派の衰退は個々の僧侶の法話の如何に拠る、と私は考えております。
先ず小池さん、顔相がイイ!お大師様のお若い時はきっとこんな雰囲気だったのではないでしょうか? 次には声が優しい!話術と感じさせない話術もすごい。
もちろんよく勉強しておられます。私も小池さんみたいな話が出来るようになりたいです。
秋の夜長、ステイホームのご時世、皆様にもおススメいたします。
浄土真宗系では故・稲城選恵(いなぎせんえ)和上のご法話。これは有難いお話です。今では放送禁止用語連発の抱腹絶倒のお寺でしか聞けないお話。面白いお話と有難いお話は正比例します。
法話の底力、あらためて認識すべきです。

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