パナソニックが子会社である三洋電機の全株式を買収し、完全子会社として上場を廃止すると29日に表明しました。三洋電機は半年ほど前に買い建てし、6ヶ月の期限が8月4日であったことから、28日に116円で売り埋めしたばかりで、最悪の結果となりました。結果的にみると、慌てて売り埋めする必要もなく、期限ぎりぎりまで持続した方が良かったようですが、買い建てした株を半年も持つというのが間違いで、三洋電機を買い建てしたことが失敗だったようです。三洋電機は現物株もありますが、パナソニックの買収価格が1株138円と聞いて、呆れています。この買収価格は、3ヶ月間の平均株価に対し、20%程度のプレミアム付きということですが、1昨日の三洋電機の株価は最低レベルだったはずで、この辺の株価を元に買収価格を算出したと言われても、納得出来る話ではありません。
半年ほど前の三洋電機の株価は150円弱だったはずで、無能な経営者が半年で株価を3割近く下げた挙句、その株価を元に買収価格を決めたと言われても、株主としては納得出来る話ではありません。こんな無能で株主を無視するような経営者は失格で、退陣してもらいたいものです。現物株として持っている株も購入価格は150円強といった程度で、1株138円という今回の買収には応じるつもりはありませんが、今回、どの程度の株主が買収に応じるのか、興味があるところです。パナソニックの持ち株率は50%強といった程度のようで、残り49%程度の株主のうち、個人投資家の持ち株がどの程度あるのかはっきりしないし、パナソニック以外の大株主がどういう対応をするのかも興味がある処です。パナソニック以外の大株主にとって、今回の買収価格である1株138円というのは、有利とはとても思えず、素人の感では、49%の半分程度しか応募しないのではないかと思います。
それにしてもパナソニックはやるもんです。子会社化し、その上で株価を半年で30%以上も下げ、その株価を元にもっともらしい買収価格を算出し、完全子会社として上場を廃止するなんて、幾つか裁判になっている新興市場の会社買収と同じような手段に見えます。三洋電機の株の買収に応じない株主に対しては、等価交換でパナソニックの株式を割り当てるようですが、パナソニックの株主になって、微力ながら今回の買収に対応した経営者に対する不信を表明するしかないようです。また、1株138円という買収価格は、ここ3ヶ月ほどの間に株を購入した株主だけが優遇される感じで、半年とか1年以上前に株を購入した株主は馬鹿を見ることになります。パナソニックという会社は、中長期で株を保有する株主には報いる気がない会社、とも言えそうです。三洋電機の株の代わりにパナソニックの株が割り当てられたとしても、こんな会社が作る製品など、とても買う気にはなれません。

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