孫娘が神奈川近代美術館(?)で開催されている夏目漱石展を見に行きたいというので一緒に行きました。孫娘は高校生であり、開催地が横浜市内のため、保護者同伴という形で行く必要はないものの、要するに昼飯を一緒に食べて何か買ってほしい、というのが本音のようですが、高校生の孫娘が一緒に行きたいと言ってくれるので、同伴したようなものです。美術館は港が見える丘公園の奥にあり、坂道を上る必要があって大変でした。20年ほど前、関内から外人墓地を経由して港が見える丘公園まで歩いたことがありますが、港が見える丘公園は高さ50mほどの山の上にあり、下の道路(元町あたり)から急坂になっています。この山の北側斜面(?)となる元町側に外人墓地があり、JR石川町駅から急坂を上る途中が外人墓地という感じで、山の上あたりに道路があり、外人墓地を上がって道路に出て東側(?)に向かうと港が見える丘公園となります。以前はこの公園から港(横浜港)が見えていたと思われますが、現在は高速道路がかなり入り組んでおり、部分的に港の一部が見えるだけです。
この場所は、「魔法科高校の劣等生」というライトノベル(?)で魔法協会のビルがあるという設定になっており、横浜騒乱編では、敵が横浜港に停泊した戦艦から上陸し、侵攻する目的地となっていますが、道路がかなり入り組んでおり、簡単には侵攻出来そうもない場所です。神奈川近代美術館は公園の奥にありますが、どうやらこの辺は幕末頃に横浜港が開かれた時、イギリスやフランスの領事館があった場所のようですが、こんな高くて不便としか思えない場所に、領事館を設けるものだといささか不思議ですが、襲撃などに備えるとすれば、山の上に領事館を設置するのも無理はないのかもしれません。明治30年頃、フランス軍が駐留していたような場所もありましたが、幕末であれば別として、明治も30年頃に日本の費用でフランス軍が駐留する場所を建設したとすれば、いささか不思議な感じも受けます。この日は天気も良く、公園付近の桜も7〜8分咲きという感じで、今週末は花見に最適のようですが、残念なことに天気予報では、日曜日あたりは雨模様のようです。
夏目漱石展は当然のことながら夏目漱石に関する手紙とか小説類が展示されていましたが、イマイチすっきりしない感じを受けました。展示内容では手紙が展示されていましたが、行書で半紙に書かれた手紙など、全く文字が読めませんでした。また、普通の文字(?)で書かれていた手紙もありましたが、こちらは小さい字でびっしり書かれており、こちらもほとんど読めませんでした。夏目漱石の小説は題名は知っているもののほとんど読んだことはなく、興味があるものはありません。漱石の小説というのはどちらかというと私小説的な面があり、読んでいてもすっきりしないことから、数ページ読むと嫌になります。心理上の描写など、評論家は評価するのかもしれませんが、大衆小説みたいな勧善懲悪がある程度はっきりしている小説が好きな自分には、全く合いません。晩年は神経的な病気になったようですが、かなり不思議です。才能に恵まれ、国からもそれを評価されて国費でイギリスに留学した上、それをしっかり評価されて帝国大学の教授に任命されているし、小説を書くことについても周囲のバックアップがあり、朝日新聞社の後援も得られた上、発表した小説も好評だったようです。また、夫人も賢妻という感じだし、子供にも恵まれており、本人の努力があったにせよ、外から見ると全く文句のつけようのない人生です。神経的な病気にかかりそうな要因は全く見えませんが、本人の資質に問題があったとしか思えませんが、才能が有ればあったで悩みも深かった、ということかもしれません。

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