晴れ のち くもり
今年6月以来の山。先だって行き損ねたので、今日はなんとしても行くことに決めていた。だが、昨夜電話があって今日なんとか都合をつけてくれないかと頼まれた。うーん、そんなこと言われても...。そんなことで、自分の予定はことごとくつぶされて来た。またか、一瞬考えたが、きっぱりと断った。
今日の山は、散歩がてらに5時間歩いた。昨年初めて手にしたナメコがどうなっているか確かめたかったのだ。昨年は12月に入ってすぐ、うっすらと雪の乗ったブナの倒木にナメコをみつけた。自力で見つけたのは初めてだったので、なんともいえない感激に浸った。
はたして今年はどうか、昨年と同じ場所に出かけることにした。その場所はまだ夏草が残っていた。だが、周辺がなぎ倒されていて、人の入った跡は明らかだ。目当てのブナの倒木は案の定、きのこが根こそぎ採られたあとだった。ポツポツと茶色く輝いているのは直径5ミリくらいの幼菌。あたりの踏み跡や周囲の様子からして昨日か一昨日に採られてしまったようだ。やっぱり道からすぐ脇のこんな場所、誰も見逃すはずないよな。少し奥に入って別の倒木を見つけたが、こちらはかろうじて直径1センチのナメコがぬめり輝いていた。量は少ないが味噌汁一杯にはなるだろう。
これで帰ろうかなとも思ったが、せっかく来たのだからと、もう少し探してみることにした。こんどは立ち木に白くびっしり生えているやつを見つけた。近寄ると甘く、いかにもおいしそうな香りが漂ってくる。ブナハリタケに違いない。実物は見たことがなく自信がなかったが、ほぼ間違いないと確信し、一掴み採って来た。匂いはきつく、ザックの紐を緩めるといつまでも匂っている。
久々の歩きは、ひざ、ももにきた。こんなんじゃ先が思いやられる。しかし、今日は獲物もあったし、ちょっとだけだけど山の空気も吸ってきたし、行ってきて良かった。ブナハリタケは唐揚げにした。鶏肉の食感に似て、ほのかな香りもあり、美味だ。家中匂いが漂ったまま、なかなか抜けない。

ブナハリタケだろう

こちらは自信がなく採らなかった

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