劇団火扉の歩みとは「完全個人主義」を目指していた人間が次第に「公心」に目覚めてゆく過程なのかもしれない(少なくとも今のところは)。
もし仮に「劇団火扉」をやっていなかったら…私はきっと今でも「完全個人主義」を目指していただろう。作品を創っているからこそ否が応にも人との関係が生まれ影響を受けたり反省したり考え直したりして価値観が変わってゆく。価値観が変われば今まで見えなかった世界が見えて来る。そうすると好奇心が沸いてさらに自分の世界を広げようと勉強したり人と出合ったりして…。作品を創る(演出すること)って「箱庭治療法」に近い作業なのかもしれない。
昨日父親と話した時、「(芝居を)持続すべきだ」としきりに言っていた。
父親にそう言ってもらえて幸せに思う。
この先も私は芝居と共に変わり続ける。

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