昨日の書き込みでキング・クリムゾンのことを調べようと思い、ネットで検索したらおかしなものにヒットした。
その名も「キング・クリムゾン事件」!
キング・クリムゾン事件
東京地判平10・1・21判時1644号141頁, 平成8年(ワ)第11327号 損害賠償等請求事件
原告X(イギリス人・仮名)
右訴訟代理人弁護士内藤 篤
右訴訟復代理人弁護士坂口昌子
被告株式会社エフエム東京
(事件概要抜粋)
本件は、被告らが共謀の上、原告に無断で、原告がリーダーを務める世界的に著名なロック・グループである「キング・クリムゾン」のグループ名を題号とし、右グループ及び原告を含む右グループに関係する音楽家の肖像写真やレコード等のジャケット写真を多数掲載した別紙書籍目録記載の書籍(以下「本件書籍」という。)を出版したことにより、原告がその有するパブリシティ権を侵害され、財産的損害を被ったとして、原告が、被告らに対し、不法行為に基づく損害賠償、本件書籍の印刷及び販売の差止め並びにその占有する本件書籍の廃棄を求めた事案である
1 原告がリーダーを務める「キング・クリムゾン」は、現在までに10数枚の右グループ名義のアルバムレコード(以下「アルバム」という。)を発表し、世界中に熱狂的なファンを有する、著名なロックグループである。
2 原告は、「キング・クリムゾン」の結成以来のリーダーであるとともに、構成員の交替や活動停止を繰り返した右グループの唯一の結成以来の構成員であり、原告以外に「キング・クリムゾン」の名称を使用した者は存在しない。また、原告は、「キング・クリムゾン」における活動以外にも、その本名である「X」個人ないしはその名前を冠したグループ(「X・ストリング・クインテット」、「シルヴィアン・アンド・X」等)において、ソロアルバムや他の音楽家との共演アルバムを発表するなどの活動を行ってきたものであり、「X」の名称によっても著名な存在である。
マニアな方なら言わずもがなだが、原告X(イギリス人)とはロバート・フリップ師以外に考えられない…律儀にソロ・アルバムのタイトルまで伏せているがバレバレである。何とわれ等がボブは東京地裁で裁判を起こしていたのだ。ちなみに判決は以下の通り。
被告らは、原告に対し、連帯して、40万円及びこれに対する被告株式会社エフエム東京については平成8年7月1日から、被告Yについては同月4日から、各支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 被告らは、別紙書籍目録記載の書籍を販売してはならない。
被告らは、その占有する別紙書籍目録の書籍を廃棄せよ。
原告のその余の請求を棄却する。
訴訟費用はこれを4分し、その1を原告の負担とし、その余を被告らの連帯負担とする。
この判決は、第1項に限り、仮に執行することができる。
…驚くべきことにこの判決後、エフエム東京は控訴し判決は何とボブ・フリップの逆転敗訴!
原判決中、控訴人らの敗訴部分を取り消す。
右取消しに係る被控訴人(ボブ)の請求をいずれも棄却する。
訴訟費用は第一、二審とも被控訴人(ボブ)の負担とする。
「…混沌は我が墓碑銘…」と彼が呟いたどうかは定かではない…。

敗訴時の表情(想像)

0