多摩川は昔から何かと所縁が深かった。
中学の時、仲の良かった友人たちと夜通し語り合ったのも多摩川のほとり。高校時代、初めて付き合った女の子とデートをして告白されたのも多摩川のほとり。22の時、一年間のダメダメ引きこもり生活から脱却し自己改革を成し遂げようと決意したのも多摩川のほとり。26の時、改めて自分の精神を鍛え直そうと思い立ち、三日間の断食の旅を行った時も多摩川のほとりを海まで歩いた。出発の地である二子多摩川の川原は自分の聖地にしようと思って五百円玉を埋めた。
そして30の今、私は「多摩川に虹をかけた男」という芝居に出演し、思わぬ人気を博してしまった。
これは自分の役者活動の一環ではあるのだが、何だか長年付き合ってきた多摩川からの三十路の祝いの贈り物…という気がしないでもないのだ。
「たまにじ」が終わって思うのはやはり思った以上に子供に情が移ってしまったということ。大人とは会おうと思えばいつでも会えるだろうが子供はそうはいかないだろう。チーちゃんともマッキーともマチャキとももう会えない。彼らがどういう大人に成長するのかとても興味があったのだが…。
昨日は子供たちとキチンとお別れをする暇もなく慌ただしく終わってしまって何だか寂しさが残る…。
私は子供の頃、周りに大人がいっぱいいて(特に女性が多かったので)みんなに猫可愛がりされて育った。今思えばあの時の彼らは皆、私と同じような心持だったのだろう。やはり子供は可愛いものだ。
そういえば昨日の打ち上げで舞台監督の藤田さんも言っていた。
「お前、結婚するのか?どんなに生活が苦しくても絶対、子供は作れよ!あんなに無条件で愛おしいものはないぞ。どんなに辛く苦しいことがあってもこいつらのためだと思えばそんなもの屁とも思わなくなる。これほど不思議な存在と言うのは他にないからな」
夕方から両親の仮住まいの引越しを手伝いに行く。母親は強がりで気は若いがやはり体力は衰えているのかギックリ腰になってしまった。日通のアホがいるものもいらないものも一緒くたに積み上げてしまったから私とカミさんでそれを全部積み直し。
作業が終わると駒沢公園沿いにある「鉄板屋 萬栖」で食事。妹と親父も合流した。ここのミックスお好み焼きはトローリジューシー具沢山、山芋たっぷり香ばしくて私の好み。ふた皿も食べてしまった。さらに美味い「ブロッコリーとカブのニンニク風味炒め」「胡麻ダレキャベツ」も是非ご賞味あれ。
親父は食が細くなってキムチしか食べられなかった。やはり親は老いるものだな…。親父の私のブログに対しての感想がおかしくて笑ってしまった。
「食い物の話ばっかりだな!」


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