カミさんがもっと洋書が読みたいというので原宿のブックオフへ。
ついてみると表参道は人、人、人!しばらく日本のラッシュを忘れていた(普段は自転車通勤なので)。昔「黒い絨毯」という蟻の大群が人間を襲う映画があったが正に表参道は日本人の黒い髪の毛で「黒い絨毯」と化していた。JR原宿駅から表参道に入るあたりの坂の上から見下ろした光景は正に圧巻だった。大陸に旅したときその文化的スケールのデカさに驚いたが、日本にもそれに負けないものがあったのだ、物凄いスケールのラッシュが!
これは欧米人も泣いてひれ伏すスケールだ!世界に誇る日本のラッシュ!
今までだったら「人がいっぱいいてイヤだな」ぐらいしか思わなかったが、今日は思わず見とれてしまった。しかも、その時は照明の関係か一粒一粒の人の顔まではっきり見えた。まるで曼荼羅絵図のようだった。やはり私は間違っていなかった。ミニマリズムとダイナミズムは矛盾しない!
それにしてもこれでは昼飯も食えない、どこも行列だ。
本を買ったら、明治神宮へと非難する。
明治神宮は恐らく私が今、都内で一番リラックスできる場所だ。ここには流石に恐ろしいラッシュはない(元旦を除く!)。日本文化を形作ってきた自然と原始宗教に触れられ、世俗の垢を清め、リフレッシュできる。こうした心の平安を、私は日常の生活空間の中でなかなか得ることができない。
だから神社があるとついつい参拝し二例二拍手一礼、お寺があるとお賽銭あげて合掌してしまう。心がちょっとだけ軽くなる。私は特定の宗教人ではないが、人類は結局のところ宗教から逃れることはできないと思っている。
本殿の前を結婚式の行列が通る。黙ってゆっくりと物々しく。凄くカッコイイ!下手なBGMなんていらない。この黙々とした静けさのかもし出す神聖さが日本の行事の良いところだ。カミさんもそれを見て「結婚式は絶対ここで神前でやりたい!」と言った。もうちょい先の話にはなるが…。
再び鳥居をくぐって外に出ると我々を待っているのは雑多なラッシュ大国、ニッポン…。

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