散々待ちくたびれた頃、ようやくカミさん&野坂氏と合流。最早不平を言う気力さえ失っていた。
本来はこの後、私とカミさんは芝居に、野坂氏は映画を観に行くことになっていたのだが、今更別行動を取るのも面倒臭いしここは映画の本場でもあるので、結局全員で映画館へ行くことにした。
しかし、寄りにも寄って選んだ映画が「Jackass:Number Two」。
これはテレビ番組から発祥したナンセンス・ドキュメンタリーで、アメリカ全土から選りすぐられた馬鹿共が集まってムチャクチャなイタズラや難題に挑戦するというもの。例えば闘牛の前でシーソーをしたり、馬の精子を飲んだり糞を食べたり、頬に釣り針を刺してサメの前を泳いだり、特殊メイクで老婆に扮装して街中で全裸になったり、自らのお尻にオチンチンマークの焼印を押したり…もうひたすら身体を張って下らないことに挑戦する素人たちを追った作品だった。
特に酷かったのは、宇宙服のようなカプセル状のヘルメットを他人のお尻とホースで繋いでおならの匂いに耐えられるかという実験。それだけでもかなり汚いのだが、何を思ったのかおならをする人はそれだけでは飽き足らずホースの中にウンコをしてしまった。するとヘルメットを被っている被験者はたまらずゲロを吐いてしまったのだが、そのゲロとウンコが混ざり合ったものがヘルメットの中に溜まってしまって、あれはもう観ている方が吐いてしまいそうなほどの地獄絵図だった。
文字通り、やっている方も撮っているカメラマンですらゲーゲー吐きながら撮っているというかなりのグロさ。先にもアメリカ人は吐くということにもカタルシスを得ているのではないかと書いたが、正にそれを立証しているかのような映画だった。
みんなチンチン丸出しではしゃぎまわって、馬鹿騒ぎしてウンコやゲロが(時には鮮血が)飛び交って、アメリカ人社会に私が感じたプリミティヴな感じが凝縮されたような内容だった。これは正しくアメリカ映画だ!
とにかく胸糞悪くて最低の内容だったが、少なくともここ何年かで一番笑った映画だということは間違いない。お笑いが大好きで、笑いのためならゲロ吐いても惜しくないという人には是非ともお勧めしたい。

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