これも原作モノらしい。「松子〜」よりは楽しめた。面白い映画だとは思う。
それでも素直に好きと言えない。
ちょっと前に「カモメ食堂」という映画を観て、やはりホノボノコメディなのだが完成度はそちらの方が良かった気がする。それでもやはり素直に好きになれなかった。
では何所が悪いのかと言えば、別に両方とも特にはないような気がする。あまり褒める気にも、けなす気にもなれない種類の映画なのだ。
小劇場界でもこういうセンスの良さとナチュラリズムを売りにしている劇団は多い。ナチュラルな芝居を売りにしているような人たちって、それしかできない人たちが多い気がする。そういう人たちに限って頑張って芝居している人を見下している傾向があるように見える。まぁ、これは単なる偏見である。たまたま私の周りにそういう人がいたのだろう。
私はそうした傾向が好きになれないだけなのかも知れない。映画が悪い訳ではないのだろう。
この映画の主役ふたりのコンビは凄く良かった。特にドランクドラゴンの塚地さんはお笑い畑なのに芝居が巧かった。最近、芸人さんが映画やドラマに出ると芝居が単調で凄く気になることが多い。私の知っている舞台の芸人さんはもっと演技が巧かったぞ!
きっとこういったホノボノコメディ映画のルーツを辿ると「バクダッド・カフェ」に行き着く気がする。あれも凄くいい映画だけど、やっぱり好きにはなれないんだよね…。

0