2009/7/7
先日、愚妻が興奮気味に私をたたき起こし、
「とてもいい詩を見つけた!」
と、おもむろに吟じ始めた。
茨木のり子という人の詩。
「自分の感受性くらい
ぱさぱさと乾いてゆく心を
ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて
気難しくなってきたのを
友人のせいにはするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか
苛立つのを
近親のせいにはするな
なにもかも下手だったのはわたくし
初心消えかかるのを
暮らしのせいにはするな
そもそもが ひよわな志にすぎなかった
駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄
自分の感受性くらい
自分で守れ
ばかものよ」
確かにいい詩だった。

1
投稿者: kai-ishiyama
詳細ページ -
コメント(0) |
トラックバック(0)
1 | 《前のページ | 次のページ》