少し前に、訳あってしばらく会っていなかった友達と会った。
彼は最近、ここ何年か勤めた会社をやめたという。「…会社という物がどういうものなのか知ろうと思って勤めてみたが、会社というものはウンコを投げ合う所なのだ。他人に向かってウンコを投げることに罪悪感を持たない人にとっては何でもないが、投げ返せない人はどんどんウンコに押しつぶされて行く。それで潰されてしまった人には弱い奴だというレッテルが貼られ、自己責任の一言で片付けられてゆく。それが僕が経験した会社というものだった…」
働けば働くほど、儲かるどころかどんどん貧しくなってゆく時代にこの国もなるつつあるようだ。友人が会社を辞めることにしたのは大変結構なことだと思うが、だからと言って我々は他に逃げる場所があるのだろうか?…恐らく絶対に逃れられはしないだろう。
…私は彼のためにも芝居を造り続けて行きたいと思う。

0