最近、日本映画が好調だというのでちょっと観てみようと思い立ったのだが…う〜ん、どうなんでしょう?
小説が原作だということだが、果たしてそれを超えているのだろうか?読んでいないから何とも言えないが。ダメな女のどん底人生を描きながら、それをキッチュなミュージカル仕立てにしている所とかは「ダンサー・イン・ザ・ダーク」の影響だろうか?映像も美術も衣装も演出も結構凝っていて面白いとはと思うが、ベースとなる部分が派手過ぎてリアリティがないと、どうも長いMTVを観ているようで私は飽きてしまった。例えば「ダンサー〜」ではハンディ・カムの殆どドキュメンタリーのような手法で撮っていて、いきなりミュージカルになるからインパクトはやはり凄かった。「ダンサー〜」自体それほど好きな映画ではないが、あの演出は凄いと思った。ところがそのMTV調のハイテンションで全編行かれてしまうと、果たしてこの原作をこういう形で映画にする必要があったのかな?…と私なんかは思ってしまう。もし、これがオリジナル脚本だったらありだと思うが。
そもそも好調だと言われる最近の日本映画だが、大抵原作がヒットしているものの映画化だというのが、どうも気に入らない。製作者サイドの「ヒット作を映画化すれば絶対当たる!」という市場原理主義的な匂いがプンプンしてイヤだ。映画はやはりオリジナル台本で勝負して欲しい。原作があっても構わないがあまり露骨なヒット作を扱うのは企画者のプレゼンばかりが鼻についてイヤなので、もうちょっと世に知られていない作品にしてもらいたいものだ。その程度のリスクを背負えないで本当に日本映画が好調だと言えるのか?と暴論を吐きたい思いだ!。
それでもあえてヒット作を撮るなら原作をウンと飛び越えて全くオリジナルな世界にまで昇華してほしい…って、あ!それがこの作品か!
…う〜ん、複雑な思いだなぁ…。

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