「たまにじ」の夢を見た。
「たまにじ」公演残すところは麻生公演を残すのみなのだが、高木演出が急に「一幕と二幕の間に映像のつなぎを入れたい」と言い出し、さっそくその撮影で役者陣が多摩川の川原に集められた。ロケ車の中で衣装を受け取るとさっそく高木演出が「籐十郎さん、急いで着替えて!」と指名が入る。慌てて着替えるがどうも服が思うように着れない。これなんかよくある夢のパターンである。夢の中で作業がスムーズに進んだためしがない。
それでも何とか衣装に着替えて川原に集合。捕り方の衣装を着て木藤さんや山下さんもいた。
しかし撮影が始まっても演出からの支持はなにもない。私たちはただ川の前で横並びに立っているだけで、高木先生は少し離れた場所からデジカメのようなものでこちらを撮っているだけだ。なんだかただの記念写真のようだ。
しばらくすると高木演出はカメラを下ろして「はい、撮影終わりましょかー!」
え?だってまだ何も撮ってないじゃん。
何だか狐に摘まれたような気分になりながらも私たちはロケバスに戻り、次の支持を待った。
どれくらい経ったろうか?ロケバスに舞監の藤田さんがやってきて「編集が終わったからモニターで観よう」という。え?もう?何にも撮らないでもう編集終わりなんてどんな映像になったの?
頭の中にいくつも疑問符を抱えながらモニターに映し出された映像を目にした私は思わず目を疑った!
わわ!何だ、これは!
何と映像の中では籐十郎が川原で捕り方たちと戦っている!しかもめちゃくちゃ華麗に!
私は今回殺陣のため何ヶ月も刀捌きを特訓してきたが、そんな付け焼刃とは比べ物にならないくらいのスピードとアクションなのである。もちろん習ってもいないはずの大技も次から次に繰り出している。これは一体どういうことなのか?
よく観ると捕り方たちもふたりだけじゃない。何十人もいる。しかもさらによく観てみると捕り方たちは木藤さんと山下さんが増殖したものだった。つまり木藤タイプと山下タイプのクローンが無数にいるのだ。
このクローン捕り方たちのアクションがまた凄い!JACばり…いや、斬られて吹っ飛ぶところなどまるでプレステの格闘ゲームのようだ!何十メートルも吹っ飛んで多摩川に飛び込んだりしている(しかも何十人も一斉に)!とにかく私にしても捕り方たちにしてもあまりにも人間離れしたアクションなのである。
やっと謎が解けた。
これはCGなのだ!高木演出は川原で私たちの顔をスキャナーのようなものでスキャンしていたのである。そしてそのデータをもとからプログラミングしてあったCGのアクション場面にはめ込んだのだ。
高木先生は演出家だけではなくCGデザイナーとしても第一級だったのだ!
それにしてもあの映像の鮮明さ、合成のナチュラルさ、動きのスムーズさは恐らく10年後、20年後の映像だった。
いつか夢ではなくあんな映像を本当に撮れる日が来るんだろうな…。
どうでもいいけど今夜は本当に寒い!何回も風呂に入ってしまった。梅の花はまだか…?
たまにじ公演、いよいよ残るは麻生を残すのみです!
今度こそ是非、ご来場を!

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ちなみにこれが現実の芝居で私(籐十郎)が捕り方ふたりと戦うシーンです!

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