門田コレクションの化石
展示されていたアンモナイトのひとつ
今年の3月に、有田川町(旧吉備町)にお住まいの門田英夫先生が所有する化石のコレクションが和歌山県立自然博物館に寄贈されたことをニュースで知りました。そして、その門田コレクションが展示公開されるということで、先日の日曜日に自然博物館に行ってきました。
展示は4回に分けて実施される予定で、今回の第一弾は、アンモナイトにスポットを当てて展示されていました。寄贈された総数は千点を超えるとされていて詳細については現在調査中だそうです。学術的にも貴重な標本も多数含まれていて、研究者も高く評価して注目されてきたといわれています。
今年の1月に和歌山市立こども科学館でも「門田コレクション」の展示があり、観察させていただきました。このブログの「キダリス」のところで少し触れています。
昨年だったでしょうか門田先生のお宅を伺い、採集された化石を見せていただき、また参考になる本などを紹介してもらってたくさんのことを学ばせていただきました。
「有田化石展示室」・この写真は和歌山市立こども科学館の冊子より引用しました
吉備インターを下りて県道を東に走り、金屋の橋に至るまでの、少し手前に「有田化石展示室」の看板を掲げたお家が見られます。自宅を改造されて三階に展示室を作られているといわれていましたが、車庫のところにエレベーターが設置され、それに乗って展示室に導かれました。60年にわたる収集の成果が、部屋にぎっしりと展示されていました。有田郡内産の化石がこれだけまとまった規模で保管されている例は他にないといわれています。特に、キダリスやイノセラムス、和歌山県では一番大きなアンモナイトなどに出会えたことに感動したことを覚えています。
余談ですが、部屋の東の窓からは門田コレクションのバックグランドといえる鳥屋城山が見えます。その窓際に石膏像の作品が飾られていて、「向こうの(下の)県道から見えるように、ここにおいてあるんや。このモデルになっているのは、私の娘やで。もしかしたら大学で(この作品の作者)彼と一緒だったのと違うかな?」と話され、いろいろといきさつをお聞きしました。
実は、私の大学一年先輩で彫塑専攻の方の作品で知事賞に輝いたものでした。彼は、教職についてから若いうちに亡くなったということをうわさには聞いており、とても残念に思っていたのですが、ここで作品を通して約40年ぶりにお会いすることになるとは本当に奇遇でした。
「有田化石展示室」をお伺いしたのは寒い時期で、先生もご高齢ですので、午後1時ごろうかがって一時間ぐらいで失礼しようと思っていたのですが、話が弾んでしまって5時近くになっていたのではないでしょうか。本当に長時間お世話になりありがとうございました。あらためてお礼申し上げます。
今後も門田コレクションから多くのことを学びながら、特に私にとってまだ採集したことがない「イノセラムス」との出会いに心を傾けたいと思っています。

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