菊寿石
この「菊寿石」という名の石は、岐阜県根尾の産の石です。根尾といえば「菊花石」をすぐ思い浮かべますが、菊花石とは少し雰囲気が違うようです。「菊寿石」は観賞用の石として付けられた名前のようで、実際は針状の結晶がぎっしり詰まった石です。
この結晶は、斜方輝石の一種で最も鉄の少ない種である頑火輝石の針状結晶(絹糸光沢をおびている)が放射状に集合して花のように見えるものなのです。
頑火輝石の化学組成は、(Mg,Fe)2Si2O6で、ふつう淡緑色からうすい褐色の柱状結晶で、斜方輝石のうち、マグネシウムが鉄より多いものをさすようです。

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