対比のおもしろさ
マリーナシティの和歌山館の入り口に大きな緑色片岩(青石)が二つ並べられています。ひとつはモニュメント風にドカンと据えられていますが、もう一つは平面的に床と平行にあたかも地下から顔を出しているように埋め込まれています.おそらく紀州青石を意識してのことでしょう。そして、人工のコンクリートやタイルの幾何学的な素材のなかに、自然の岩石のもつ色や形を対比させて、ほっとするような優しさの雰囲気をかもし出そうとしています。

マリーナシティーの緑色片岩、よく見ると背びれや尾びれが
ついていました。鯨を表現しているのでしょう!!
紀伊風土記の丘の本館にあたる資料館は、ほぼ直方体のコンクリートの建物です。その四方の壁面にはぎっしりと緑色片岩のかけらが石垣のように詰め込まれています。冷たいコンクリートの柱や梁で囲まれた四角い平面を細かい青石で埋め尽くして、私たちを和やかな気分にさせてくれます。
庭石の「わび」や「さび」の世界は子どもたちには難しいけれど、こうした対比のおもしろさには注目させたいと思い、機会があると「この壁の石、何か知っている?」「この壁の工夫を見てどう感じる?」と問いかけることにしています。

紀伊風土記の丘資料館の外壁に詰め込まれた緑色片岩

紀伊風土記の丘資料館の外壁に詰め込まれた緑色片岩

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