紀ノ川の石ころ(2)
川辺大橋の下の川原や岩出橋のすぐ下流などで、紀ノ川の石ころを採取して学校に展示しています。
砂岩やれき岩、泥岩そして、いろいろな色のチャートなどの堆積岩のなかまが多いです。さらに、結晶片岩が目立ちます。○○片岩をまとめて結晶片岩といいますが、紀ノ川の変成岩のなかまはほとんど結晶片岩です。黒色片岩、絹雲母片岩、緑色片岩、紅れん石片岩などがあります。片岩という名前が付いていませんが千枚岩という緑色片岩に似た変成岩も見つけられます。千枚岩は、変成の進みぐあいが粘板岩と緑色片岩の中間ぐらいといわれています。 これらの変成岩は、片理という平行な面が何枚も重なって出来たようにみえる石で、縞模様を持っています。それに、片理にそって割れてながされてきたので、ほとんどうすべったい石ころになっています。
また、花こう岩の石ころも見つけられます。こんな硬い石が丸くなることを考えると、はるばる上流の奈良県あたりの花こう岩の地層からころがってきたのだろうと想像できます。
石英の石ころも、硬いのに石英の脈から割れたときの角張った形を残しながら丸くなっていることと、そのすきとおるような白さの輝きに見とれてしまいます。
川原の石ころは、その上流にふるさとがあり、地質を表現しています。
紀ノ川は、変成岩の宝庫ともいわれますが、それは、左岸(南側)に三波川変成帯(和歌山では紀ノ川から有田川までの巾を持つ)という変成岩類の地層を基盤に持っているからです。それに対して、右岸(北側)には和泉山脈が連なり和泉砂岩(泥岩や礫岩を含む)などの地層が広がっています。

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