紀ノ川の石ころ(6) 『砂岩』
神社の本殿の広場に敷かれている紀ノ川の石ころで、子どもたちが「おもしろい石」といって持ってきた中に『砂岩』がありました。それは、砂の粒が小さい層(茶色っぽい)と砂の粒が大きい層(白っぽい)が交互に積み重なってできた砂岩で、しかも、それぞれの層の厚さがほぼ同じなので、いっそうその模様がおもしろいのです。そのうえ粒の小さい部分が柔らかいためか磨り減り方が大きいのでへこんでいるのです.白っぽいところは硬いので磨り減り方が小さいためにふくらんで見えます。
このようにそれぞれの層が同じ厚さに繰り返して積もるのは、一年の中で繰り返し洪水のような事件がなんどもあったのだろうか、あるいは、一年おきに堆積していったのだろうか、それとも気の遠くなるような年月を経ているのだろうか。
細長く割れて転がってきたので長細い石ころで、手のひらにのる大きさの石ころで、まったく同じ模様の砂岩を持ってきた子どもがいまいた。「この砂岩とこの砂岩、元は同じ岩だったんと違うか、兄弟や。」ということになりました。本殿の広場に、同じ石が見つかるということは、紀ノ川でその兄弟が見つかるはずです。さらに、この特徴ある砂岩の出所(ふるさと)はどこだろうかと興味が高まってきます。
川辺大橋の下流の川原で、よく似た砂岩をいくつか見つけていますが、色合いや層の厚さがちがっていて同じ岩から分かれたとは考えられません.神社で見つかったこの砂岩の兄弟を、紀ノ川で見つけることが楽しみの一つになっています。
右の子どもが「おもしろい」という砂岩。左の子どもの石はチャートか?
神社の入り口の敷石の中にも似た砂岩がありました(中央の縞模様の石)

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