プレートテクトニクス
数年前まで小学校の6年生の国語教科書に「大陸は動く」という題でドイツの気象学者ウエゲナーの『大陸移動説』が紹介されていました。残念ながら今はこの教材はなくなっています。
大西洋をはさんで南アメリカ大陸とアフリカ大陸の海岸線がジグソーパズルのように輪郭がぴったり合うのに気づき、もとはつながっていたのではないかと考えました。そして、約3億年前の古生代後半に大陸は一つであったとして、この超大陸をパンゲアと呼ばれました。この大陸の分裂と移動によって現在の姿になった考えられているのです。ウエゲナーは地質や化石(古生物)の分布などについての証拠を挙げて論文を書き、1915年に『大陸と海洋の起源』という本を出しています。
1950年代になって、岩石中に残された昔の地球磁場の状態を表す古地磁気(残留磁気)の研究成果が有力な証拠として示され、さらに、60年代には海底の調査が進み、大西洋中央海嶺が発見され海洋底拡大説が出され、プレートテクトニクスへと発展しました。
現在、大陸移動説と海洋底拡大説はプレートテクトニクスの学説に統合され地球観の基礎を形成しています。
地球表面は10数枚のプレートから構成され、年間3〜10センチメートルというゆっくりした速度で拡大移動しています。プレートは海嶺で誕生して、海溝では再び地球深部に沈み込んでいます。中央海嶺は海洋底につながる大火山脈で、プレートが互いにすれちがうところはトランスフォーム断層と呼ばれる横ずれ断層で切られていますが、山頂部(中心の軸の部分の大きな裂け目)からは玄武岩質溶岩を噴出して、プレート上部の海洋地殻がつくられています。このように プレートは海嶺から両側に押し出されるようにして広がって移動しているのです。プレートを構成するのはリソスフェアと呼ばれる地球表層の固い部分(地殻とマントル最上部)で、これがアセノスフェアと呼ばれるやわらかい部分の上を移動しています。
こうしたプレートの運動が、現在注目されている地震や、火山、変成作用、・・・地球表層のさまざまな現象の主要な原因として統一的に説明しょうとするのがプレートテクトニクスなのです。

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